革新の新章
ライトウェイトスポーツカーで知られたロータスは「BEVの高級ブランド」を目指し、新たな道を進み始めた。小さくて軽く、ハンドリングこそが命と刷り込まれてきたファンに、リッチな電動SUV「エレトレ」はどう映るのか。走りの印象を報告する。
BEVの高級ブランドを目指す
シュッとしたデザインだし、「カイムグレー」というボディーカラーは引き締まって見えるから、パッと見ではそれほど大きいとは感じさせない。けれども周囲のクルマと比べてじっくりと眺めると、全長が5103mmもあるだけにやはりデカい。
デカいのと同時に、空気を切り裂いて大気圏を突破しそうなエッジの立ったフロントマスクとSUV的なフォルムが組み合わされて、ほかに似たクルマが思い浮かばないような独特のたたずまいになっている。クーペSUVが増えているけれど、これはスーパーSUEVだ。ちょっと語呂が悪いけれど。
それにしてもこれがロータスのニューモデルだとは……。よだれを垂らしながら漫画『サーキットの狼』を読んでいた小学生の自分に、「エレトレR」を見せてやりたい。電気で走るこのSUVが「ロータス・ヨーロッパ」の末裔(まつえい)だとは、絶対に信じないはずだ。
ご存じのように2017年に中国の吉利(ジーリー)傘下となったロータスは、BEVの高級ブランドに生まれ変わろうとしている。BEVのスーパーカー「エヴァイヤ」をブランドの象徴として派手に打ち上げた後、ハイパーSUVのエレトレ、ハイパーGTの「エメヤ」を矢継ぎ早に発表した。
いっぽうで、直4とV6のガソリンエンジンをミドシップする「エミーラ」が、常連さんのケアを担当する。
ハス(ロータス)の葉と蕾(つぼみ)を図案化したとされるエンブレムをかたどったおむすび型のキーには、ACBC、つまり創始者であるアンソニー・コーリン・ブルース・チャップマンのイニシャルが記される。ただし、もしこのクルマのオーナーになったら、スマートフォンの専用アプリで施錠・解錠や空調、充電の操作を行うはずだから、このキーの出番はそれほど多くないだろう。...