ちょっとだけうらやましい
いよいよ日本に導入された「フォルクスワーゲン・ゴルフ」の大幅改良モデル。なかでも伝統のスポーツモデル「GTI」は、どのような進化を遂げているのだろうか? 従来モデルからの変化のポイントを、試乗を通して確かめた。
ホットハッチは絶滅危惧種?
先日マイナーチェンジされたゴルフには、当然ながらGTIも含まれる。ゴルフGTIは1975年に、FFスポーツハッチバックの元祖として生を受けた。それ以降、ゴルフ的なFFハッチバックは実用車の一形態として世界的に根づいて、それをベースとしたスポーツモデルが各社から発売された。欧州ではそれらを「GTIクラス」として総称することが多い。ゴルフGTIが元祖たる証拠だ。
そして、初代ゴルフGTIの登場から約50年、かつては隆盛を誇ったGTIクラスの存続は、風前のともしびだ。ゴルフと同じCセグメントを例にとれば、フランスの「ルノー・メガーヌ ルノースポール」は先ごろ生産を終了(日本向けの在庫はまだ少しあるようだが)。わが日本の「ホンダ・シビック タイプR」も、標準モデルは受注停止状態が続いており、年初に追加された「レーシングブラックパッケージ」も、先ごろ受注停止が正式アナウンスされた。GTIクラスの本場である欧州を見ても、エンジンのみで250PS超を発生するCセグメントFFハッチバックは、ほかに「フォード・フォーカスST」くらいしか今は見当たらない。ゴルフGTIにはじまったGTIクラスは、結局ゴルフGTIで終わる……かもしれない様相だ。
というわけで新しいゴルフGTIだが、従来型との差異は、ゴルフ全体で共通するインフォテインメント関連のインターフェイスの改良と、内外装デザインのアップデートが主体となる。メカニズム面では2リッター直噴ターボエンジンの最高出力が20PSアップの265PSとなり、0-100km/h加速が6.2秒から5.9秒(ともに欧州仕様値)に向上したことくらい。
変更幅の小ささに物足りない気分のファンもおられようが、じつは欧州における今回最大のトピックは、最高出力を300PSまで引き上げた「クラブスポーツ」と、さらに高度な348PSエンジンでニュル24時間レース参戦を期した「クラブスポーツ24h」という、2台の(日本導入予定のない)特別なゴルフGTIの登場にある。...