小さな大エース
せっせとラインナップを刷新してきたMINIは、まったくのブランニューモデルとしてこの「MINIエースマン」を投入した。新顔なのにエースとは大きく出たものだが、果たしてどんな立ち位置のモデルなのだろうか。試乗を通じて確認した。
コンセプトはカリスマティック・シンプリティー
日本で一番売れている輸入車の座を、2016年から維持し続けているのがMINIだ。日本自動車輸入組合=JAIA調べでは、2024年も1万7165台を売り上げてその座を堅持した。店舗数も210と、いつの間にやらレクサスと肩を並べんばかりになっている。
もっとも、MINIはバリエーション全体が束になっての数字ゆえ、1位も当然といえば当然だ(ちなみに2位は「メルセデス・ベンツGLC」の7047台)。一方で、前年がフルモデルチェンジラッシュだったことに鑑みれば、2025年はさらに数を伸ばす可能性もある。
そのフックになるかが注目されるのがこのモデル、エースマンだ。カリスマティック・シンプリティーというコンセプトは意訳すれば「こんまりの片づけ術」のような話なのだろうか。そんなコンセプトカーが現れたのは2022年のことだが、その時点で電気自動車(BEV)専用アーキテクチャーを採用するモデルとして2024年には販売を開始するという旨が伝えられていた。その時程どおりにきっちり発売にこぎ着けているあたりは、いかにもドイツのお仕事である。
BMWはオリジナルMiniの意匠的資産を、ほぼ四半世紀にわたってさまざまなかたちで活用してきた。オリジナルMiniがイシゴニス卿のアイデアのもと、究極的なミニマリズムとともに近代FFカーの礎を築いていたこともあり、そこに敬意を抱く方々からは否定的な声も耳にしたが、程なくそんな話は届かなくなった。年月とともに、Miniというカルチャーが継続されることへの支持が増えていったということだろう。...