クロスカントリーを謳歌しよう
ランクル一族の新たな基幹車種「トヨタ・ランドクルーザー“250”」で、目指すは冬の八ヶ岳! 厳しい環境で鍛えられたクルマだけが持ち合わせる、充実したドライブフィールとは? スポーツカーにも負けないクロカン流のファン・トゥ・ドライブをリポートする。
このクルマ、カッコよくないですか?
東京・九段下の配車場でまみえたトヨタ・ランドクルーザー“250”は、やっぱりカッコいいクルマだった。クロカン然としているけど、つくりはピシッと精緻。最近はやりのハデ趣味とも距離をおいた端正な造形が、実にイカしている。そもそも、非オラオラ系の大型SUVってだけでも、見栄(みえ)と虚飾が跋扈(ばっこ)する今日では、貴重な存在でありましょう。2024年4月の発売から、取材時点で満8カ月。すでに街なかでも珍しい存在ではないが、久々に落ち着いて眺めてみて、あらためて「いいデザインだなぁ」と感嘆してしまった(参照)。
今回、記者がランクル“250”と目指すのは、冬の八ヶ岳である。別企画の取材・撮影でここに随行するクルマが必要となり、「だったら自分が好きなのを借りてきて、ついでに試乗記も1本つくっちまおう」と思い立ったのだ。クルマが坂でスタックしたり、ウオッシャータンクが破けてフロントウィンドウの氷雪を払えなくなったりと、冬のロケでは散々な目にあってきた記者だが、ランクルなら信頼度も抜群。なによりこれは、クロカンの機能性を生きた道で試せる、稀有(けう)な機会である。ちまたで人気の最新モデルを選ばない手はなく、記者は迷わず、トヨタの広報さんに「“250”貸してくれません!?」と電話を入れたのだった。
キーを受けとり、さっそく街へと繰り出す。ランクル“250”にはすでに何度か触れているが(その1、その2)、今回もやはり、まずはその取り回しに感服した。ハンドリングに、既存のランクルとは違う(……というと語弊がありますが)モダンさがあるのだ。試乗車はディーゼルの「ZX」。車重は約2.4tとヘビー級だが、鼻先を動かすのに“300”のような重厚感や圧迫感はなく、また“70”みたいにぐるぐるとハンドルを回す必要もない。ランクル初採用となる電動パワーステアリングの緻密なアシスト&フィードバックの加減もあって、普通のクルマみたいに、なんの痛痒(つうよう)もなく舵を切れるのだ(参照)。憧れのクロカンを買ったはいいが、乗用車との運転感覚の違いに持て余す……という人の話をまま聞くが、こと“250”に関しては、その心配は少なそうである。...