正気じゃないけれど……奥深い文豪たちの生き様。42人の文豪が教えてくれる“究極の人間論”。芥川龍之介、夏目漱石、太宰治、川端康成、三島由紀夫、与謝野晶子……誰もが知る文豪だけど、その作品を教科書以外で読んだことがある人は、意外と少ないかもしれない。「あ、夏目漱石ね」なんて、読んだことがあるふりをしながらも、実は読んだことがないし、ざっくりとしたあらすじさえ語れない。そんな人に向けて、文芸評論に人生を捧げてきた「文豪」のスペシャリストが贈る、文学が一気に身近になる書『ビジネスエリートのための 教養としての文豪』(ダイヤモンド社)。【性】【病気】【お金】【酒】【戦争】【死】をテーマに、文豪たちの知られざる“驚きの素顔”がわかる。文豪42人のヘンで、エロくて、ダメだから、奥深い“やたら刺激的な生き様”を一挙公開!
社会的タブーに挑戦して
「同性愛」を克明に描く
三島由紀夫は、大蔵省を辞めて専業作家となり、長編小説『仮面の告白』を書き上げました。
同性に恋する少年を描いたこの小説は、昭和24(1949)年当時はタブー視されていた「同性愛」をおおっぴらに描いた日本初の作品といわれ、大きな話題を呼びました。
少年時代から同性愛の感情を強く抱いていたことを告白するような自伝的な作品であり、ある種の社会的タブーに挑んだわけです。
凄まじい描写力
『仮面の告白』は、主人公が自らの過去を回想する形式がとられていて、性的な自覚を持ち始める過程が描かれています。
少年時代の主人公は、イタリア人画家グイド・レーニが描いた絵画「聖セバスチャン」に描かれた男性の裸体を見て、性的な興奮を覚え、自慰をします。
凄まじい描写力です。自慰のシーンも三島にかかると、こんなに華麗な表現になってしまうとは、さすがです。
※本稿は、『ビジネスエリートのための 教養としての文豪』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。