スピードで勝負
最高出力707PS、最大トルク900N・mのメルセデスAMG製4リッターV8ツインターボを搭載する、アストンマーティンのハイパフォーマンスSUV「DBX707」がマイナーチェンジ。最新のインフォテインメントシステムを組み込み大きくリニューアルされたインテリアと、熟成した走りのハーモニーを味わった。
エクステリアはあえてそのまま
アストンマーティンのカタログモデルは、2023年5月に2+2クーペが「DB11」から「DB12」に世代交代されて、2座ピュアスポーツの「ヴァンテージ」(現行型は2017年秋に世界初公開)も、2024年2月に「これはもはやフルモデルチェンジでは?」といいたくなるほどの大幅改良が実施された。そして、旗艦スポーツの「ヴァンキッシュ」も2024年9月に新型がベールを脱いだ。つまり、アストンのスポーツカーはわずか1年数カ月の間に、3機種すべてが新世代にアップデートされたわけだ。
しかし、現在のアストンでの売れ筋は圧倒的にSUVのDBXだそうである。2019年11月に世界デビューしたDBXは、今やアストン全体の販売台数の半分以上を占めるとか。にもかかわらず……というか、逆にだからこそか、DBXだけは約5年前からあまり大きくは変わっていない。いくつかの限定車を例外とすれば、ニュースといえば、2022年2月にDBX707を追加しただけだ。
しかし、アストンのような超高級ブランドが、最大の売れ筋商品を古いまま放置するわけもない。じつはDBXもほかのアストン製スポーツカーと同様に、2024年4月に大幅改良の手が入っている。エクステリアにはあえてほとんど手を入れなかったこともあってか、筋金入りのアストンファンの間以外では、大きな話題になっていないのが正直なところだ。
というわけで、今回の試乗車が、その大幅改良を受けた最新のDBX707である。DBX707とはそれ以前からあったDBXの高性能版で、メルセデスAMG製の4リッターV8ツインターボエンジンの最高出力を、その名のとおりの707PS(それ以前の素のDBXは550PS)に、最大トルクを900N・m(同じく700N・m)に引き上げて、エンジン同様にAMGが供給する9段ATも通常のトルコン式から湿式多板クラッチ式の、AMG流にいえば「スピードシフトMCT」に変更。同時にギアレシオもローギアード化して、サスペンションやパワステ、リアの電子制御デフも専用チューンとなっている。...