新車で買えるクラシック
ロイヤルエンフィールドの歴史を体現するクラシックなモーターサイクル、その名も「クラシック350」。往年のバイクの姿を今日に伝える一台だが、受け継いできたのはスタイルだけではなかった。伝統の積み重ねが生んだ、味わい深い走りを報告する。
その形に歴史が宿る
レトロなデザインはいろいろな分野で人気が高く、バイクでも往年の名車のモチーフを取り入れたモデルがたくさんある。しかし、レトロ風マシンの多くは、当時のイメージを取り入れつつ、現代風にアレンジしているものがほとんどだ。
ロイヤルエンフィールドのクラシック350が違うのは、1948年に原点となるモデルが登場したときから、そのデザインを守るべく努力していることだ。変えない、というのは簡単そうなことだが、実はとても難しいことでもある。工業製品は時代に合わせて進化していく宿命にあるからだ。求められる性能を満足させながら、変化を最小限に抑えるべく努力してきた結果が、現在のクラシック350なのである。
今回発表された2025年モデルでは、LED式のヘッドランプが採用され、USB Type-Cのソケットを設置。スマホと連動してナビの道案内を表示するディスプレイも追加されている。このディスプレイは、曲がる方向と距離という最低限の情報を表示するものになっていて、外観はコンパクトかつクラシカルにまとめられている。これで、ハンドルにスマホを取り付けて雰囲気を台無しにする必要もなくなるだろう。他の変更点といえば、カラーバリエーションが7色になったくらいなのだが、このモデルに関してはそれでいいのだろう。変わらないことがアイデンティティーだからである。
搭載されるエンジンは、2021年発売の「メテオ350」から導入が始まった、排気量349ccの空冷単気筒SOHC。空冷でありながら高い信頼性と耐久性、環境性能を持っている。このエンジン、特に高いパフォーマンスを追求したものではないが、ストリートを走ってみるととても完成されていることがわかる。空冷のエンジンは油圧タペットのおかげでメカノイズが少なく、とても滑らかな回り方をするし、シフトペダルをローに踏み込むと軽いタッチでスコンと気持ちよくギアが入る。エンジンを始動して走りだすまでの短い時間でも、とても高い精度を持っていることが伝わってくる。...