至高のトライデント
日本に上陸したマセラティのオープントップモデル「グランカブリオ トロフェオ」に試乗。優雅でスポーティーなフォルムと、最高出力550PSを誇る3リッターV6ツインターボ「ネットゥーノ」が織りなすオープンエアドライブの世界を報告する。
F1由来のテクノロジー
クルマは2種類に分けられる。オープンか、それ以外かだ。駆動方式とかエンジン排気量は、クルマにとってささいな要素である。……極論なのは認めよう。風を受けながら走る楽しみは何物にも代えがたいと言いたいのだ。オープンカーには小型のスポーツカーからセダンの屋根を切り落としたものまで、さまざまな種類がある。マセラティ・グランカブリオ トロフェオはグランドツアラー的な性格を持ち、内外装はリッチでゴージャスだ。このジャンルのなかで、ルックスも性能もトップに位置することは誰もが認めるだろう。
ベースとなっているのは、すでに発売されている2ドアクーペの「グラントゥーリズモ」だ。今回の報道関係者向け試乗イベントの会場にはこの2台が並べられていて、フロントから見ると同じ顔をしている。サイドにまわってみると、ボディーが繊細につくり変えられていることに気づく。ソフトトップを閉めた状態ではクーペと同じ印象を持たせながら、オープンにしたときには異なるフォルムでエレガンスを表現しなければならない。コストダウンのためにボディーパネルを共通化するなんてケチくさいことは考えず、新たに細部を仕立てている。
ルーフを取り去れば剛性は低下するので、ボディーに補強が入れられている。グラントゥーリズモに比べるとちょうど100kg車重が増加した。それでも2t以下に抑えられたのは、ボディーの65%にアルミニウムを用いていることが大きいはずだ。
もっとも、グランカブリオには重量増などものともしない強力なパワーユニットが搭載されている。「ネットゥーノ」と名づけられた3リッターV6ツインターボエンジンだ。スーパースポーツカー「MC20」に初めて搭載された新開発のエンジンで、F1由来のテクノロジーを用いている。マセラティは2028年までに全ラインナップをフルEV化すると発表しているが、エンジンにも手を抜いてはいない。...