カギはモーターにあり
「日産ノート オーラ」のマイナーチェンジを機に登場した「ノート オーラAUTECH(オーテック)」に試乗。AUTECH専用となる内外装デザインやカスタマイズアイテムをチェックしながら、「プレミアムスポーティー」をうたうその走りを報告する。
小さな高級車って難しい
日産ノート オーラAUTECHを紹介するにあたっては、「プレミアムスポーティー」をコンセプトとしたAUTECHブランド独自の内外装から説明するのが筋かもしれない。けれども、ここではこのクルマのパフォーマンスを先に紹介したい。というのもノート オーラAUTECHは、さまざまな自動車メーカーが挑戦しては、その高い壁にはね返されてきた「小さな高級車」を攻略する糸口を見つけているからだ。
小さな高級車って難しいな、と痛感したのは、大昔、取材で「ヴァンデンプラ・プリンセス1100」に乗ったときだった。このクルマはADO15と呼ばれたオリジナル「Mini」のお兄さんにあたるADO16をベースに小さな高級車にチャレンジしたモデルで、1960年代に生産された。
コンパクトな4ドアセダンのボディーに、ウォールナットと本革の内装がおごられ、前席バックレストの背面にはピクニックテーブルも備わった。その設(しつら)えは見事だったし、ロールス・ロイスの後席に座るような方が混雑したロンドン市内を俊敏に移動するために開発されたと聞いて、わくわくしながら試乗したけれど、そんなに高級だとは思えなかった。
というのも1.1リッター直4 OHVエンジンの最高出力は56PSで、840kgという現代の常識から考えると超軽量なボディーに対しても非力。お上品にアクセルペダルを踏んでいてはタクシーにも置き去りにされる。そこで、えいやっとアクセルペダルを踏み込むと、今度は車内がガーガーというノイズとバイブレーションで満たされる。
ところがノート オーラAUTECHはどうだ。どうだと言われても読者のみなさんも困るでしょうが、「e-POWER」というハイブリッドシステムを備えるこのクルマは、静かに、スムーズに加速する。小さな高級車を実現するカギは、モーターにあったのだ。...