狙うはナンバーワン
日本の道路環境にフィットする「ポロ」クラスのコンパクトSUVとして人気を博した「フォルクスワーゲンTクロス」がマイナーチェンジ。内外装の質感アップと充実した装備の採用をセリングポイントに掲げる、ジャーマンSUVの進化を確かめた。
時代はポロからTクロスへ
フォルクスワーゲンのエントリーモデルといえば、全長4mそこそこのコンパクトハッチバック車、ポロが長年その役目を果たしてきた。ところが、2020年1月にフォルクスワーゲン最小のコンパクトSUV、Tクロスが発売になると、SUVブームも手伝ってポロを超える人気モデルに浮上。ときには主力の「ゴルフ」を上回る販売台数を記録するなど、いまや日本のラインナップになくてはならない存在になった。
Tクロスは輸入車のなかでも目立つ存在で、2020年から3年連続で輸入SUV登録台数ナンバーワンに輝いている。ドイツ本国でマイナーチェンジが発表された2023年には2位にランクダウンしたが、代わりにトップに浮上したのが、ひとあし先にマイナーチェンジした「フォルクスワーゲンTロック」で、街なかでTクロスやTロックをよく見かけるのも合点がいく。
そんなフォルクスワーゲンにとって重要なモデル、Tクロスのマイナーチェンジ版が待望の日本上陸を果たし、ついに試乗できる日がやってきた。フォルクスワーゲンはこれまで多くの人からTクロスが選ばれた理由を、「日本にジャストフィットのサイズ、ポップなデザイン、求めやすい価格」とみているが、最新版のTクロスもこうした特徴を維持しながら、さらに魅力的なクルマに進化しているという。
真っ先に気になったのが価格である。フォルクスワーゲンに限らず、輸入車の価格は上昇が続いており、マイナーチェンジともなれば大幅値上げはあたりまえ。Tクロスについてもそれを覚悟していたが、ふたを開けてみると予想したほど高くなかった。
たとえば、エントリーグレードの「TSIアクティブ」では、同一車線内全車速運転支援システム“Travel Assist”やハイビームアシストなどを追加しながら、価格は1万7000円アップに抑えている。一方、今回試乗した最上級グレードの「TSI Rライン」は、LEDマトリクスライト“IQ.LIGHT”や前席シートヒーターといった魅力の装備を標準化しつつ、これまで標準装着だった一部安全装備をメーカーオプション化することで、10万3000円安を実現したのには正直驚いた。...