不滅のマスターピース
長いこと「ご家族や親しい人を呼んでください」状態だった「日産GT-R」がついに大往生を遂げた。2007年発売のクルマがこんなにも輝いて見えるのは「アルティメイトメタルシルバー」のボディーカラーのせいだけではないはずだ。最終型の2025年モデルを試す。
“後付け”では解決できない課題
新車の日産GT-Rに乗るのもこれで最後になるかもしれない。そう思うと、いろいろな思い出がよみがえってきて、ありきたりの言葉になるけれど感慨深い。
例えば2007年、R35型GT-Rの生産立ち上げの際に、栃木工場で見た光景を思い出す。「スカイライン」の生産ラインで、7台から10台に一台の割合でGT-Rが“混走”していて、なるほど、こういうむちゃをするからポルシェと同等のスペックが777万円で手に入るのか、と感心した記憶がある。
日産の横浜工場で見学した、エンジンの組み立て工程も目に浮かぶ。「ひとりの職人がひとつのエンジンを担当する」というと、AMGで聞いたようなフレーズだけれど、こんなに手間暇かけてエンジンを組み立てているクルマがたったの777万円なのか、と驚いた。
懸案だった騒音規制の問題は2024年モデルでクリアしたGT-Rではあるけれど、2025年末に装着が義務化される衝突被害軽減ブレーキは“後付け”できない。いよいよ2025年モデルが最後で、2025年8月をもって生産を終了すると正式にアナウンスされた。
もしかしたら最後になるかもしれないGT-Rは、「日産GT-RプレミアムエディションT-spec」(2025年モデル)。2035万円と、NISMO銘柄以外では最も高価なモデルだ。
エクステリアのデザインは、前後のバンパーの形状を改め、リアウイングの面積と位置を変えた2024年モデルから変更はない。2024年モデルのデザイン変更は、マイナーチェンジにありがちな「目先を変える」ものではなく、機能向上が目的。事実、最大ダウンフォース量は10%も向上しているという。初めて2024年モデルを見たときに、シュッとしたなという印象を受けたけれど、飾り立てるのではなく、機能に全振りするという信念を最後まで貫いてくれたのはうれしい。...