ジャージ以外の普段着を
日産の電気自動車「アリア」に赤いアクセントがきらりと光る「NISMO」が登場。その名のとおり日本のモータースポーツ界の雄が鍛え上げたハイパフォーマンスバージョンである。ワインディングロードに持ち込んでその実力を検証した。
BEV NISMOの第2弾
日産とNISMOの関係は、BMWとM、メルセデス・ベンツとAMGのようなものなんだろうなと思っている。モータースポーツが出自であり、そこでの経験などを市販車へフィードバックする。これが表向きの大義となっているけれど、少なくとも現在のMとAMGは、BMWとメルセデスにとってとても“オイシイ”ビジネスモデルでもある。
それっぽい外観とスポーティーなセッティングの足まわりに加え、モデルによってはパワートレインまでいじってバッジを付ければ、ノーマルの車両本体価格に数百万円を堂々と上乗せできて、利益率の高い商品が完成する。そうしたモデルは、場合によっては安価なモデル数台分の利益を1台売るだけで生み出すわけで、安さがウリのひとつである中国メーカーが勢力を強める昨今、BMWやメルセデスが(特に最近)MやAMGのバッジが付いたモデルを積極的に導入している戦略にも合点がいく。
ドイツメーカーがそうやってせっせと稼いでいるのだから、日本メーカーもさっさとまねをすればいいのにと、以前からそう思っていたのだけれど、ようやくトヨタはGRを、そして日産はNISMOをそんなふうに扱い始めた。トヨタは「GR86」や「スープラ」など専用車種をそろえるものの、後に続くモデルがなかなか現れない。この2台、“GR専用”とは言いつつも実際にはGR86はスバルに、スープラはBMWに兄弟車がいるわけで、純粋なるGRオリジナルモデルを名乗るにはちょっと無理がある。いっぽうのNISMOは、あくまでも日産車をベースにしたラインナップ拡充というスタンスを維持していて、このアリアNISMOは2018年の「リーフNISMO」に次ぐ2弾目の“BEV NISMO”となる。...