熟練のスポーツモデル
ホンダ車のカスタマイズブランドとして知られる無限の最新純正アイテムを装着した、SUV「ZR-V」と「ヴェゼル」に試乗。半世紀に及ぶモータースポーツ活動によって育まれた“無限らしさ”とブランドのこだわり、そして標準モデルとの走りの違いを報告する。
ルーツはモータースポーツにあり
正規販売店で手に入るホンダの純正カスタマイズパーツには、先日紹介したホンダアクセス(参照)のほかに、無限の製品もある。ホンダの新車発表時には、それにホンダアクセスの純正アクセサリーやカスタマイズパーツに加えて、無限のカスタマイズパーツも同時に発売されるのが長らく通例となっているのを、ご承知のファンも多いと思う。
無限はかつてのツーリングカーから現在のSUPER GTやスーパーフォーミュラまで、ホンダ系の最有力チームとして有名である。あるいは、無限と聞いて、ホンダが第2期F1活動から撤退した1992年以降、それを受け継ぐかたちで2000年までエンジン供給したF1活動を思い出す向きもあるかもしれない。
また、四輪ファンにはあまり知られていないが、無限は黎明(れいめい)期から二輪も手がけてきた。1976年には事実上のホンダワークスとしてモトクロスに参戦したほか、ホンダ用の二輪パーツも長らく手がけたり、ダートトラックマシンをつくったり、近年では独自の電動バイクを開発して、マン島TTレースで活躍した。
そんな無限はもともと、ホンダを創始した本田宗一郎氏の長男である本田博俊氏が、第1期F1活動の中心人物だった川本信彦氏(後に本田技研工業の社長もつとめた)らとともに1973年に創設した企業だ。最初の作品は「シビック」ベースのFJ1300用エンジンで、当時モータースポーツ活動から一歩引いていたホンダの姿勢に業を煮やした有志たちによる、課外活動的な事業がキッカケだった。
無限としての事業は、今はM-TEC(2003年創業)が手がけている。2024年現在、同社の事業はほぼすべてホンダ関連だそうだが、じつはM-TECとホンダの間に資本関係はない。50年超の無限の歴史をさかのぼっても、ホンダが無限に資本参加していたのは、1993年から1999年までの7年間のみだ。...