古い定義は通用しない
インディアンの基幹モデル「スカウト」がついにフルモデルチェンジ。約10年ぶりに登場した新型は、パワフルで扱いやすく、しかもスポーティーにも走らせられるという、クルーザーの常識を覆すマシンとなっていた。名門が世に問うた力作の走りをリポートする。
“走り”が自慢だった初代の魅力を再定義
スチールとアルミを適所に用いた新開発のフレームに、排気量が10%大きくなった「スピードプラス」エンジンと、あらゆる部位が従来モデルから進化を遂げたインディアンの新型スカウトシリーズ。今や1250ccもの排気量を持つこのシリーズだが、それでもインディアンのラインナップでは、ミドルクラスに位置づけられるモデルである。
そもそも1920年発売の初代スカウトは、「パワフルで速い」がうたい文句で、当時はレースにも参戦するようなスポーツモデルだった。10年ぶりに刷新された新型スカウトシリーズもまた、コーナリングも含めて走る喜びを感じられる、スポーツ性を楽しめるモデルとなっている。まさに初代のキャラクターを盛り込んだかのようなリニューアルとなっていて、試乗してみると、近年のまるで“大きくて重い”がアイデンティティーになってしまったかのような他のクルーザーとは一線を画すモデルであることを、走りだした直後に確信した。
またがった瞬間に感じたのは、身長160cmの筆者にとっても気負う必要がない足つきのよさと、車重の軽さだ。クルーザースタイルのフォルムによる680mmの低いシート高と、スポーツツアラーにも匹敵する250kg前後に抑えられた車重は、サイドスタンド状態から直立させる動作や取り回しの際に、ライダーに負担を感じさせない。今回、最初に試乗した「スカウト クラシック」は、ハンドルがシリーズのなかで一番ライダーに近い位置に設定されており、後ろすぎないシートとの位置関係も相まって、筆者の身長でも自然なライディングポジションをとることができた。...