ドリームズ・カム・トゥルー
ピュアスポーツカー一筋のイメージから一転、「フル電動モデルの高級ブランド」への道をひた走るロータス。そのフラッグシップと位置づけられる“ハイパーGT”「エメヤ」の仕上がりは? ドイツとオーストリアの道で試乗した。
高価で高級なフル電動のロータス!?
2023年9月。私はニューヨークでロータスのフルバッテリー駆動モデル第3弾となるエメヤのデビューに立ち会った。ハイパースーパーカーの「エヴァイヤ」、ハイパーSUVの「エレトレ」に次ぐ“ハイパーGT”は、流麗なクーペフォルムを持つ4ドアサルーンだった。ロータスがなぜ4ドアを立て続けに? という疑問を封印して、新しいもの好きのニューヨークっ子たちに大いに受け入れられる様子をホッとして見守ったものだった。
リアエンジン付き「エミーラ」を最後に、電動ブランドとして再出発するロータス。エレトレという電動SUVを先に導入することになった理由は、やはり北米や中国といった巨大市場を意識してのことだろう。そもそも北米や中国のようにブランド知名度のさほど高くないマーケットにおいてSUVから投入することは譲れない戦略だったはず。実際、ニューヨークではエレトレをシャトルに使っていたが、街なかでは「これはランボルギーニの新型か?」と聞かれることもあった。
逆に昔からのロータスファンの多い日本ではどうだったか。エレトレどころかエヴァイヤですらあまりに唐突だった。これまで30年にわたって「エリーゼ」をメインに売ってきたディーラーとそれを喜んで買ってきたユーザーにとって、フル電動でかつ高額なモデルであることでもつらいのに、そもそもロータスのSUVといわれてもまるでイメージが湧いてこない。私も「エラン」を所有するけれど、正直、当初はあまりにもイメージ乖離(かいり)が激しく、情報が脳みそを華麗にスルーしていた。
となれば今回のエメヤにしたところで高価でラグジュアリーなBEVの4ドアサルーンなのだから、イメージ乖離ってことでは同じ? 確かに。
けれども少なくともその昔、ロータスは高性能な4ドアサルーンをつくろうとしたことがあった。創始者コーリン・チャップマン自身がそれを望んでいたのだ。...