やはりポルシェは“最新が最良”
「ポルシェ911」にいよいよハイブリッドモデルが登場。パフォーマンス重視の「T-ハイブリッド」システムを搭載した「GTS」シリーズは、どのような走りを実現しているのか? 大幅改良を受けた「カレラ」ともども、その仕上がりをスペインより報告する。
まずは「GTS」シリーズから
「911 は再び生まれ変わります。おそらく水冷エンジンを採用したときよりも大きなステップなのです」
スペイン・マラガで開催された、ポルシェ911(タイプ992)の後期型(参照)、通称“992.2”の国際試乗会。そのプレゼンテーションの冒頭で、広報担当者はそう述べた。
思えば、ポルシェのスポーツカーはハイブリッドとも無関係ではない。2010年にはタイプ997をベースとしたハイブリッドのレースカー「GT3 Rハイブリッド」を走らせていた。その後、ハイブリッドスーパースポーツカー「918スパイダー」を発売。FIA 世界耐久選手権(WEC)にはプロトタイプレースカー「919ハイブリッド」を投入し、現在もLMDh(ルマン・デイトナ・ハイブリッド)車両の「963」でシーズンに参戦中だ。プレゼンの場でも何か特定の技術についての言及があったわけではないが、今回のハイブリッドシステムはモータースポーツから得た知見をもとに設計したものと紹介されていた。
911というポルシェのコアモデルにハイブリッドを搭載するにあたり、最大の課題となったのはやはり重量だったようだ。1600kgを切ることを開発目標にさまざまなアイデアやアプローチを試み、従来モデルからの重量増は約50kgに収まっているという。ちなみに新型カレラGTSのカタログ上の空車重量(DIN)は1595kg。
なぜGTSからハイブリッドにしたのかという問いには、このような理由を述べた。「GTSはカレラや『カレラS』との差別化が進み、独立性を高めたモデルになっています。911カレラのラインナップにおいて、カレラGTS は最も高性能で最もスポーティーなモデルです。そして地域によって多少の差はありますが、多くのお客さまがカレラSよりもカレラGTSを選択してくださっています。ですからGTSにハイブリッドを搭載して、992.2のはじまりからライフサイクルの全体にわたって運用したいと考えました」
これまでGTSといえば、“遅れて登場する高性能バージョン”という存在だったが、992.2ではそうした扱いを変え、またその性能向上分をハイブリッドでカバーしようというわけだ。システムの名称は「T-Hybrid」で、“T”とはターボの意というから、エコであることよりパワーを付加するものという位置づけなのだ。ニュルブルクリンク北コースでのテストでは、先代モデルのタイムを8.7秒上回る7分16秒934をマークし、0-100km/h加速は従来モデルの3.4秒から3.0秒にまで短縮しているというから、もはやその速さは疑いようがない。...