本気のスーパーハッチ
「うちのカミさんマニュアル乗れないんだよな〜」とハンカチをかんでいたオトーサンに朗報だ。「トヨタGRヤリス」に待望の8段ATモデルが追加設定された。エンジンやシャシーにも手が入った、トヨタが言うところの“進化型”である。公道でその仕上がりを試す。
覚悟は要る
環八から東名高速に合流すると、つけていたはずのラジオがまったく聞こえなくなった。100km/hも出ていないのに、しかも舗装が滑らかなレーンを選んで走っても大差なし。ゴーゴーざわざわという容赦ないロードノイズに加えて、駆動系からもこもり音のようなうなりが聞こえる。もともと静かなクルマではなかったが、マイナーチェンジを受けた最新のGRヤリスは何だか以前よりもうるさくなったような気がする。今どきこういうはっきりしたクルマは珍しい。
乗り心地も一般道を走っている時には従来型よりも当たりが丸くなったように感じたが、高速道路の継ぎ目ではやはり突き上げは明確で、お世辞にもフラットとはいいがたい。皆さん百も承知とは思うが、「GR」を冠するクルマのなかでもヤリスは明らかに性能重視の競技志向、やる気満々の武闘派高性能ロケットであることをあらためて思い知らされた。
2024年年初の東京オートサロンで発表された“進化型”GRヤリスは単なるマイナーチェンジとはいえないほど広範な改良が加えられているが、なかでも注目はモータースポーツの裾野を広げるというGRの方針を体現する8段ATモデルの追加である(モータースポーツ用グレードの「RC」にも設定された)。トルクコンバーター式ながら電光石火のシフトを可能にするということで「GR-DAT(ダイレクトオートマチック)」と称する。試乗車は最上級グレード「RZ“ハイパフォーマンス”」の8ATモデルである。...