速いゴルフのワゴンなのでR
「ゴルフ」シリーズの刷新に伴い、さらなる進化を遂げた「ゴルフRヴァリアント」。「速いゴルフなら『GTI』で十分」という筆者の見方は、試乗後にどう変化したのか? 共働きファミリーの日常を想定し、このクルマの持つ真価について考えた。
ゴルフGTIで十分!?
フォルクスワーゲン・ゴルフRヴァリアントを前にして思うのは、ゴルフGTIで十分ではないか、ということだ。現行のGTIは速くて滑らか、めっちゃ洗練されたスポーツハッチの金字塔、あれ以上のゴルフがホントに必要なのか。
ちなみにゴルフRとゴルフGTIのスペックの違いを紹介すると、2リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載するのは共通ながら、Rの最高出力は310ps、対するGTIは230ps。Rがフルタイム四駆と7段DSGを組み合わせるのに対し、GTIはFFで6段DSGとなる。
ここでフォルクスワーゲンのラインナップを眺めると、ゴルフGTIにはヴァリアント(ステーションワゴン)の設定がないことに気付く。なぜGTIにヴァリアントの設定がないのか、その理由はわからない。ただ、いまやGTIは単なるモデル名を超えたホットハッチの代名詞的な存在。そこにワゴンを設定してホットワゴンが生まれてしまうと、話がややこしくなることはなんとなく理解できる。
いずれにせよ、「速いゴルフのワゴン」を選ぶとしたら、ゴルフRヴァリアントになる。
で、1日半ほどゴルフRヴァリアントをお借りして、正札569万9000円のこのクルマがガレージに収まっている生活をなんとなく想像したのでR。ゴルフRの“R”とかけてみたけれど、この嵐山光三郎さんに代表される昭和軽薄体をご存じの方は、40代半ば以上の年齢ではないだろーかとソーゾーする。
ゴルフRヴァリアントを購入するご家庭は、共働きだと勝手に想像する。1974年のデビュー以来、世界中の人々に等しく、肉屋さんにも銀行員にもドラマーにも、新しいモータリゼーションを提供してきたゴルフというモデルの民主的なイメージがそうさせるのだろう。
というわけで、ひとり娘を幼稚園に送るのは電車通勤する会社員のご主人の役目。夕方、仕事を終えた奥さまが、ゴルフRヴァリアントで幼稚園へ迎えに立ち寄る。奥さまの職業は、インテリアコーディネーターとかフラワーアレンジメントの先生とか、荷物を運ぶ機会が多い職種。ここではインテリアコーディネーターということにしておきましょう。会社から独立したフリーランサーで、大体いつもクルマで移動している。...