新時代のベンチマーク
スウェーデン発祥のハスクバーナ・モーターサイクルズから、800ccクラスの新たなロードスポーツモデル「スヴァルトピレン801」が登場。隆盛する新カテゴリーの手本となりそうなその走りを、仏マルセイユのワインディングロードから報告する。
目指すは新カテゴリーでの覇権
ハスクバーナMCの新型車、スヴァルトピレン801が発表された。同車の前身モデルである「スヴァルトピレン701」に加え、「125」「250」「401」と、さまざまな排気量のモデルを展開してきたスヴァルトピレンファミリーだが、これまではすべてが単気筒エンジンを搭載していた。しかしスヴァルトピレン801には、シリーズ初の並列2気筒エンジンを採用。ハスクバーナMCが2018年に市場投入し、育んできた「スヴァルトピレン/ヴィットピレン」のロードスポーツファミリーは、新しい展開を迎えたことになる。
ハスクバーナMCが、排気量拡大と多気筒エンジンの採用を決断したのには理由がある。それは「ソフトスポーツバイク」と呼ばれる、新しいカテゴリーが市場で存在感を増してきたからだ。排気量1000cc以下を指す“Sub 1000cc”や、100馬力以下を示す“Sub 100hp”などといった名でカテゴライズされることもあるが、要するに性能特化のスーパースポーツを起源に持たない、排気量1000cc以下のスポーツバイクで構成されるモデル群である。
このソフトスポーツバイクカテゴリーには、V型2気筒や並列2〜4気筒とバリエーション豊かなエンジンがあふれている。そしてスポーツモデルの初心者や若年層ライダーを取り込む扱いやすさと、すでに1000ccオーバーのツーリングバイクやスポーツバイクで経験を積んだベテランライダーをも納得させる高い走行性能、さまざまなエンジン形式がもたらす個性的なライディングフィール、そしてコンセプチュアルな車体デザインを併せ持つ、各メーカーが威信をかけて開発した新規モデルがひしめいているのだ。
スヴァルトピレン801が採用する、排気量799ccの水冷4ストローク並列2気筒DOHC 4バルブの新型エンジンや、そのエンジンを剛体として利用する新開発のクロームモリブデン鋼チューブラーフレーム、WP製の前後サスペンションや電子制御システムの数々は、日・欧の各メーカーに新興の中国メーカーも加わり、苛烈(かれつ)なシェア争いが展開されるソフトスポーツバイクカテゴリーにおいて、ひいてはより広いロードモデルのマーケットにおいて、ハスクバーナMCのブランドバリューを高めるために厳選されたものだ。...