ほえるEV
BMWに「M」、メルセデスに「AMG」、レクサスに「F」があれば、韓国のヒョンデには「N」がある! Nモデルとして日本初上陸を果たした「アイオニック5 N」は、システム最高出力650PSを発生する超ド級の電気自動車だ。サーキットと一般道で仕上がりを試した。
凝りに凝ったバーチャルシステム
スピードとともにドライで精悍(せいかん)な排気音が高く大きく盛り上がっていく。右パドルでシフトアップすると、パンという音と同時に明確なシフトショックも感じるし、さらにそのままリミッターに当たるまで踏むと、バラバラという音と一緒に前後に揺動する振動も伝わってくる。運転しているドライバーでさえ、いったい何に乗っているんだっけ? と混乱するぐらいだから、何も知らされずに助手席に乗せられた人にはまったく分からないはずである。
もちろんヒョンデ・アイオニック5 Nは内燃エンジンもギアボックスも持たない100%EVであるから、これらはすべてバーチャルであり、演出されたものである。EVなのにエンジン車のような音を発するものや、モーター駆動のハイブリッドなのにギアボックスを備えているかのようなシフトアップ感を演出するクルマはこれまでにもあったが、アイオニック5 Nの細部へのこだわりというか、徹底的な再現ぶりには驚いた。EVでもここまでできるということを見せつけられた思いである。しかもヒョンデの高性能サブブランドのNモデルであるからには雰囲気だけではなく、実際に驚くほど速く、ドリフトさえ自在である。正式発売前にサーキットを中心に事前試乗会を開催したということは、それだけアイオニック5 Nの出来栄えに自信を持っている証しだろう。...