さりげなく技術満載
ポルシェの4ドアサルーン「パナメーラ」が、新プラットフォームや新エンジンなど、数多くの新技術を引っさげて2代目へと進化。低環境負荷と高い動力性能を両立したとされる新型の魅力を、箱根のワインディングロードで探った。
ジェントルで高効率なターボエンジン
ポルシェのV8ターボで忘れられないのはやはり初代「カイエン ターボ」である。4.5リッターのV8ツインターボ(450ps、620Nm)を積んだ、ポルシェ初のSUVの怒涛(どとう)のパワーと、猛然と荒々しく加速する走りっぷりに驚いたものだが、同時に思わず二度見するほど芳しくない燃費にもびっくりした。高速道路をおとなしく走った区間を含めても平均燃費は4km/リッターちょっとだったと思う。ところが、今やあんな後ろめたさを感じる必要はない。それどころかもう胸を張って自慢してもいいぐらいだ。パナメーラ ターボは現在ポルシェで最も高性能なセダンにもかかわらず(まだデリバリーされていない「ターボS E-ハイブリッド」はシステムトータルで680psと850Nmとさらに強力)、高速道路の流れに乗ってごく普通に走っているとオンボードコンピューターの燃費計の数字が10km/リッター、11km/リッターと面白いように伸びてゆく。
新たに採用された8段PDKのトップギアで100km/h巡航している時のエンジン回転数はわずか1200rpmほどにすぎないが、そのうえ気づくと回転計の針がアイドリング位置に落ちている。そう、目を離すとたちまちクラッチを切ってコースティングするのだ。さらには低負荷時にV8のうちの4気筒を休止させるシステムも備わっているという。そのオン/オフはまったく感じることができないし、コースティングからの復帰も極めて静かにスムーズに行われる。ごく普通に走る限り、ニュルブルクリンク旧コースを7分38秒というとんでもないラップタイムで走ったことが信じられないほどジェントルだ。丁寧に灰汁(あく)を取り去ったスープのように、荒々しさや野性味が取り除かれてすっきり洗練された、だがいっぽうで踏めば途轍(とてつ)もなく速い4ドアサルーンが新型パナメーラ ターボである。...