もっとパワーを
「トヨタ・クラウン スポーツ」は、その名が示すとおりスポーツカーのような俊敏さが持ち味だ。たしかにワインディングロードでの走りにはキラリと光る部分があるが、もう少し刺激があってもいい。このあたりがやはりトヨタということなのかもしれない。
クロスオーバーありきだった16代目
思い返せば、「クロスオーバー」「スポーツ」「セダン」「エステート」の4車種が顔をそろえて、16代目クラウンがお披露目されたのは2022年7月のこと。ただ、その直後(同9月)に発売されたのはクロスオーバーのみだった。
その次が今回の主役であるスポーツのハイブリッド(HEV)だが、その発売はクロスオーバーから1年以上遅れた2023年10月。続いてセダンが同11月、スポーツのプラグインハイブリッド(PHEV)が同12月に発売となった。また、最後のエステートも2024年中ごろ以降の発売予定というから、クロスオーバーだけが大幅に先行したカタチになっている。
そのあたりの背景については先日公開された「【徹底解説】新型トヨタ・クラウン セダン」にも書かせていただいたとおり、今回の新クラウンは、実用性や居住性などでセダンと同等以上の機能を満たしつつ、新たな魅力を追加したクロスオーバーのみで企画されたそうだ。さらなるインパクトと老若男女へのアピールのために、クラウンの一大ファミリー化=トヨタ内高級車ブランド化路線が考え出されたのは、クロスオーバーの開発がある程度進んでからだという。つまり、残る3車種は開発のスタートそのものが遅かったわけだ。
数あるクラウンのなかでクラウン スポーツの意図するところは、今をときめく欧州スーパースポーツブランド製SUVのイメージを、より手ごろに安心して楽しめるクルマだろうか。外観が「フェラーリ・プロサングエ」っぽいとの声も一部にあるが、発売年次からいって、似ていたとしても偶然というほかない。あるいは、同じようなコンセプトで有能なプロがデザインすると、似てしまうのが宿命か。ちなみに、プロサングエの実車を見たことがない筆者が、目前のクラウン スポーツから想起したのは「アストンマーティンDBX」だった。...