未来志向こそが伝統
「アウディe-tron」が大規模な改良を受け、「Q8 e-tron」として装いも新たに再デビュー。日進月歩の電気自動車のなかで2018年デビューはかなりの古株となるが、その実力はいまだに第一級だ。クーペスタイルの「スポーツバック」の仕上がりをリポートする。
電動化戦略を担う“新型車”
SUVラインナップの頂点に位置するQ8と、BEVであることを示すe-tronを結びつけた名称がQ8 e-tronである。「フラッグシップ電動SUV」と表現していて、電動化戦略のなかで重要なモデルだということが分かる。アウディは2026年以降に発表するニューモデルはすべてBEVとし、2033年以降は販売する全モデルをBEVとするロードマップを発表しており、その実現に向けて先導する新型車なのだ。
新型車と言ってしまったが、実は3年前にこのクルマに試乗したことがある。その時はシンプルにe-tronという名前で、今回Q8の名を冠して再出発することになったわけだ。もちろん名前が変わっただけではない。エクステリアデザインはフロントとリアの両方で変更されている。最も分かりやすいのは、フロントグリルのデザインである。以前は縦型のスリットだったが、小さな横長六角形の開口部を整然と並べて黒いフレームで囲む意匠を採用した。
アウディのアイデンティティーであるフォーリングスのデザインも変わった。これまでは立体的だったが、フラットな2次元的形状に改められている。スマホアプリの「threads」や「ChatGPT」のように平面的なアイコンがトレンドになっていることを反映しているとも考えられるが、ADASがらみのセンサーの感度を上げるためなのかもしれない。
実用上で最大のポイントは、バッテリー容量の増加だろう。以前は上級モデルの「55」が95kWhで「50」が71kWhだったが、Q8 e-tronでは50が95kWhになり、55は114kWhにアップしている。これによって一充電走行距離も延びていて、55では78km増の501km(いずれもWLTCモード)を達成した。...