語り継がれるストーリー
富山の個性派ミツオカのコンパクトカー「ビュート」がフルモデルチェンジ。ベースモデルの変更という大ナタが振るわれた新型は、新たに「ビュート ストーリー」を名乗る。果たしてドライブした印象はどんなものか。
ミツオカを知るきっかけ
私がミツオカを知ったのは、まだ自動車メディアの仕事をする前のことで、「ラ・セード」が発売されたのがきっかけである。当時、私は大ヒットしたS13型の「日産シルビア」に乗っていたのだが、それをベースにクラシカルなエクステリアに仕立て上げたのがラ・セードだった。かなり目立つデザインだっただけに、たまに街なかで見かけると視線を奪われてしまったが、ドアとドアハンドルがシルビアのままだったから、どこか憎めない存在だった。
その後、ミツオカは1993年に「日産マーチ」をベースに初代ビュートを誕生させる。「ジャガー・マーク2」をほうふつとさせる丸みを帯びたボディーに丸目のヘッドライト、ハート型のラジエーターグリルなど、愛嬌(あいきょう)のあるデザインが人気を呼び、ラ・セードよりもはるかに多くのビュートを街で見かけるようになった。その後、ミツオカはベース車両のモデルチェンジに合わせてビュートを進化させる一方で「ガリュー」に「ヒミコ」、そしてオリジナルの「ゼロワン」「オロチ」を生み出している。最近では、アメリカンSUVスタイルの「バディ」が話題を集めているのはご存じのとおりだ。
ちなみにビュートの名前が「美・遊・人(び・ゆう・と)」を意味しているのは、原稿を書いているいま知ったが、遊び心のあるつくり手と、個性的な美を受け入れるユーザーが、このクルマを支えてきたということになる。...