高級車であり続けるために
エンジン車の時代と電気自動車(BEV)の時代で高級車の定義は変わるか。同じかもしれないし違うかもしれないが、少なくともメルセデス・ベンツはすでに手を打っている。最新のBEV「EQE SUV」をドライブするとそれがよく分かる。
SF映画の宇宙船のようだ
胴長のボディーに極端に短い前後のオーバーハング、そして巨大化したウリ坊のようにコロンとしたフォルム。「EVA2」と呼ばれるBEV専用プラットフォームを用いるメルセデス・ベンツEQE350 4MATIC SUVは、いかにもバッテリーを床下に敷き詰めるBEVらしいフォルムなのだった。
ここで、巨大化したウリ坊とは成長して大人になったイノシシと同じではないかと自分で自分に突っ込みを入れたけれど、成人(?)のイノシシにはウリ坊の愛らしさはない。やはりEQE SUVのスタイリングは巨大化したウリ坊だと納得しながら車体に近づく。すると、それまでボディーパネルに埋め込まれて一体化していたドアハンドルが、音もなくせり上がった。SF映画の宇宙船っぽい。
メルセデスがシームレスドアハンドルと呼ぶこのドアハンドルを引いて室内に入り、システムを起動すると、ディスプレイがきらきらと輝き、SFっぽさがいや増す。ドライバー正面の速度や運転支援装置の作動状況を表示するディスプレイが12.3インチ、運転席と助手席の間に位置してナビゲーションやオーディオのインターフェイスをつかさどるディスプレイが12.8インチ。サイズも立派であるけれど、特に後者は有機ELを採用しているせいか、はっきりくっきり映っているように感じる。
インテリアで目を引くのはセンターコンソールが浮いているように見えることで、センターコンソール下の空間は、そこそこの容量がある小物置きとして使える。1670mmという車高のおかげで頭上空間にも余裕があり、オフホワイトの内装色もあってか、車内の雰囲気は明るくて開放感がある。
総じて、内燃機関車に比べて部品点数を減らすことができるBEVのメリットを最大限に生かして設計しようという意志が、ひしひしと伝わってくる。...