ワケあってのこのカタチ
日本への正規導入を検討中という、ヒョンデのバッテリー電気自動車「アイオニック6」に試乗。ワールド・カー・オブ・ザ・イヤーとワールドEV、そしてワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤーの3冠に輝いた、その実力やいかに。
空気抵抗係数は市販車トップ級の0.21
2022年にBEVの「アイオニック5」と燃料電池車の「ネッソ」で日本再上陸したヒョンデは、先日からエントリーBEVの「コナ」の予注受け付けも開始した。
同年のグループ別販売台数でトヨタとフォルクスワーゲンに続く3番手(4位はルノー・日産・三菱)に位置するヒョンデグループゆえ、世界的にはエンジン搭載車もまだまだ豊富にそろう。しかし、ほぼ白紙からの再スタートとなる日本市場では、あえて「ゼロエミッション車をオンライン販売する」という新しいスタイルでのビジネスをもくろむ。
そんなヒョンデが2023年秋現在、韓国や北米、欧州で販売している乗用BEVは3種類ある。つまり、今のヒョンデ(の乗用車)にはアイオニック5とコナのほかに日本未上陸のBEVがもう1台あるわけだが、お察しのとおり、それがアイオニック6である。
アイオニック6は既存のアイオニック5と共通アーキテクチャーの「E-GMP」を土台とするBEV専用モデルだ。全長はアイオニック5より220mm長く、車名もフラッグシップっぽいが、あからさまにアイオニック5より上位機種というわけでもないようだ。ホイールベースは逆に50mm短いし、価格は高いものの、韓国内での実質価格差は日本円で20万円程度しかない。
アイオニック6の特徴は、ヒョンデBEV唯一の4ドアセダンであることと、絵の描いたような流線形のスタイリングだ。こういうカタチは基本的に空気抵抗が小さい。実際、アイオニック6の空気抵抗係数=Cd値は現行市販車トップ級の0.21をうたう。
ちなみに、現行市販車でこれより優秀なのは「メルセデス・ベンツEQS」の0.20くらい。同じメルセデスの「EQE」や「Aクラス セダン」のそれは0.22。やはり、自然にテールを伸ばせる3ボックスセダンが空力的に有利であることが分かる。いかにも空力ルックの「プリウス」のCd値が、歴代最良の4代目でも0.24にとどまるのはハッチバックの宿命か。...