勝利のカギは“総合力”
今やホンダの根幹を担う「N-BOX」。日本で人気No.1の軽スーパーハイトワゴンというジャンルで絶対王者の座にあり、フルモデルチェンジは失敗が許されない。大きなプレッシャーのなかで3代目モデルを開発したエンジニアに、新型の狙いと意義について聞いた。
見据えたのは2030年
――今回は、従来型と新型の比較試乗をさせてもらったのですが、最初に従来車に乗って、「変えなくてもいいんじゃないの?」って思いました。でも、新型に乗ったら、やっぱり違うんですね。
諫山博之さん(以下、諫山):わかっていただけましたか(笑)。
――2代目はプラットフォームとエンジンを一新しましたよね。今回はどちらも据え置き。過酷な条件を押し付けられて、「上から嫌われている!」と思いませんでしたか?
諫山:いえいえ、そんなことは(笑)。従来車はトランスミッションも新しくなっていて、フルで刷新されたクルマでした。N-BOXを国民車に育てるんだ、という思いのもとで決断したんですね。パワートレインも足まわりも、基本的にはやり切ったクルマだと思っていますが、新型ではなおここから5年後、さらには2030年ぐらいまでを狙ったうえで、われわれがどこまでできるのか? そういうことをゼロベースで議論するところから開発をスタートしました。
――ホンダの電動化戦略のなかで、次のN-BOXはガソリンエンジン車ではなくなる可能性が高そうに思えます。だから今回はこのままで……ということになったんでしょうか?
秋山佳寛さん(以下、秋山):いや、それはちょっと違います。電動化を見据えてこうしたということではないです。(従来型で)いいプラットフォーム、パワートレインをつくれたので、「今回は変えるタイミングではないよね」というシンプルな理由ですね。...