今どきの体育会系
都会の絵の具に染まらないでと恋人にすがる歌謡曲があるが、新世代ロータスの第1弾「エミーラ」にその心配は無用だ。洗練された内外装によってすっかり快適・便利になったものの、操る実感にあふれたあの走りは健在。硬派なあなたにも木綿のハンカチーフは不要である。
変わっていくのは当然ながら
「この店もすっかり変わっちまったなあ。俺の若いころはうんぬん……。」と声高に嘆く声を耳にすると、昭和ど真ん中世代の私も隣の席の知らないオジサンについ相づちを打ちたくなるが、口には出さないように心がけている。変わるのには、そうしなければならないそれぞれの事情があるに違いないのだ。まあだいたいそういう人はたまにしか来ない。常連ならば小さな変化もその背景もとっくに知っているはずである。
とはいいながら、新しいロータス・エミーラに乗り込んだときには走るのをしばらく忘れて、室内をしげしげと眺めまわして同じようなことをつぶやいてしまった。やはり驚きである。上下に押しつぶしたようなステアリングホイールの向こうには12.3インチのフルデジタルディスプレイ、ダッシュ中央には10.25インチのタッチスクリーンが備わり、スイッチ類も機能的にまとめられ、以前のような“借り物”感はない。ダッシュボードもシートもドアもレザーとアルカンターラのトリムできれいに覆われており、ドアポケットもカップホルダーも、さらにはコンソール中央の始動ボタンには赤いカバーも付いている。発売記念の「ファーストエディション」にはKEFのプレミアムサウンドシステムさえ装備されている。
別に驚くことではない、と言う人もいるだろうが、以前のエリーゼなどはアルミの構造材がほとんどむき出しだった。その徹底的に削ぎ落とされたミニマリズムこそロータスの魅力だ、というストイックなファンにとっては信じられないほど洗練され、豪華になったと感じられるだろう。...