腕利きもうなる
BMW M社が手がける「M3」や「M4」との血縁関係を深め、「M2クーペ」が2代目に進化した。よりパワフルな3リッター直6ターボに新しい後輪駆動シャシーを組み合わせたハイパフォーマンスモデルの、刺激に満ちた走りを報告する。
M4のショートホイールベース版?
今回の新型で通算2代目となるM2クーペは、上級のM3やM4と同等のパワートレインを、より小さな車体に詰め込んだところが最大の魅力だ。ただ、新型と先代=初代で大きく異なるのは、ベースとなる最新「2シリーズ クーペ」のハードウエアが、「3/4シリーズ」との共通性を飛躍的に強めたことである。アーキテクチャーがBMWの全FR系モデルで共有される「CLAR」となり、しかもインテリアの基本デザインまでが3や4と共用化された。
……といった事前情報をもとに、新型M2クーペの諸元をながめると、なかなか興味深い。たとえば、明確なブリスター形状となったオーバーフェンダーによる全幅は1885mm。これはM3よりわずかにせまいが、M4とは同寸法。足もとの「ミシュラン・パイロットスポーツ4 S」は銘柄もサイズもM3/M4と同一。さらにフロントで1615mm、リアで1605mmというトレッドもM3/M4とぴたり同じである。そしてサスペンション設計も共通に見える。
ドライブトレインもしかり。エンジンがM3/M4と共通の「S」系なのは初代(の後期型)と変わらない。加えて、8段ATと6段MTという2種類の変速機やリアアクスルの「Mディファレンシャル」までが、変速比や減速比を含めてM3/M4とまるで同じだ。
つまり、新型M2クーペのハードウエアは「M4のショートホイールベース版?」といえなくもないが、単純にそうともいいきれない。
エンジンチューンは、最高出力と最大トルクともども、少なくとも現時点ではM3やM4のそれより控えめな設定となっている。また、1710〜1730kgという車重は、2WD同士だと同じ2ドアのM4と選ぶところはない。車体はM2クーペのほうが小さいから、M3/M4ほどの凝った軽量設計ではないことを意味する。つまり、新型M2クーペはハードウエアの大半をM3やM4と共有しつつも、商品ヒエラルキーとしては細かく差別化されているわけだ。...