テクノロジーの勝利
「BMW X7」がマイナーチェンジ。最新のBMW車らしくフロントまわりのインパクトが強烈だが、ラグジュアリーSUVとして中身も堅実な進化を遂げている。4.4リッターV8ツインターボエンジン搭載の「M60i xDrive」の仕上がりをリポート。
あくまで部分的な刷新
X7はBMWのSUVフラッグシップである。その世界発表は2018年10月、国内発売が翌2019年6月なので、今回はモデルライフ中間地点でのマイナーチェンジということだ。
対してセダンのフラッグシップは、いうまでもなく、フルモデルチェンジされた新型が2022年に上陸したばかりの「7シリーズ」である。その新型7と“マイチェン”版X7は上陸時期こそ半年ほどずれているものの、本国での発表はともに2022年の4月だった。
今回のX7は外装、内装、メカニズムがくまなくアップデートされているが、もっとも目立つのはやはり“顔”だろう。キドニーグリルのサイズはすでに限界だったのか、今回は基本デザインも含めて大きく変わらず。かわりに夜間にあやしく輝くLEDが内蔵されて、ヘッドライトが2階建てデザイン(メインビームは下段)の「ツインサーキュラー&ダブルライト」となった。これはつまり、新型7と似た顔つきに整形されたともいえ、ならび立つフラッグシップの顔が、新旧バラバラにならないための配慮だろうか。
内装は2枚の大型液晶を一体化したカーブドディスプレイやトグル式の小型シフトセレクター、スリムなエアコン吹き出し口……など、随所に最新世代のアイテムをあしらう。助手席前のイルミネーションも、デザインはちがえど新型7にも見られるディテールだ。
ただ、マイチェンなのでダッシュボードなどの基本デザインは従来と酷似しており、さすがに完全刷新とまではいかなかったようだ。センターコンソールも最新のアイランド型ではない見慣れた形状のままである。ステアリングホイールもマイチェン前とは少しデザインがちがうが、7シリーズのような2スポークではないし、スポーク上のスイッチ類もいわば旧世代タイプである。このあたりはやはり、電装システムまで含めた基本設計を刷新する“フルチェン”でないと手を入れにくいのだろう。...