頼れるフラッグシップ
スズキの大型アドベンチャーツアラー「Vストローム1050」に、オフロード性能を高めた「DE」が登場。21インチのフロントホイールと専用のトラクションコントロールを備えたデュアルパーパスモデルの旗艦は、どんな走りを見せてくれるのか?
成熟したVツインエンジンの完成度
スズキVストローム1050DEは、Vストローム1050をベースとし、オフロード色を強くしたマシンだ。フロントホイールを21インチとして走破性を意識したタイヤを装着。トラクションコントロールには、タイヤの流れを一定に制御する「G」モードを装備している。
最初にこのマシンを見たときは「大きいバイクだな」と思った。Vストローム1050よりもサスペンションストロークが10mm増え、フロントホイールも大径化されているから、さらに迫力が増している。同じクラスのライバル「BMW 1200GSアドベンチャー」と比べると、車重はほぼ同等でシートは10mm低く、ホイールベースでは85mm長い。テスターは身長が178cmだが、両足を着こうとするとカカトが浮く。しかもステップがふくらはぎにあたるので、なお足つきがよくない。バイク歴の短い小柄なライダーだと、扱うのに苦労するかもしれない。
熟成の進んだVツインエンジンは非常に力強い。ライディングモードを最もパワフルな「A」モードにして走っていると、非常にトルクフルで低中速からでも自由自在に加速する。排気量が大きいので鼓動感も強めだが、角のあるフィーリングではなく、低中速で走っていると実に心地よい。スロットルを開け閉めしたときのレスポンスがマイルドなこともあって、とても扱いやすい特性だ。引っ張れば高回転までストレスなく回るけれど、回すと突然パワーが出てくるような特性ではなく、中速での力強さが回転数に比例して増幅されるような感じだ。
振動は5000rpmくらいからタンクとハンドルレバーに現れる。6000rpmからはシートにも出るが、これくらいの排気量のツインとしては標準的なレベル。特に疲れるほどではないし、普段常用する5000rpm以下ではとても滑らかである。緻密に制御されていて、アップ/ダウンとも気持ちよく変速するクイックシフターとも相まって、細かい部分までとてもよく煮詰められたエンジンに感じられた。...