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ハーレーダビッドソン・パン アメリカ1250スペシャル(6MT)/ドゥカティ・デザートX(6MT)/ロイヤルエンフィールド・ヒマラヤ(5MT)【試乗記】


これからのバイクの本流

数あるバイクのジャンルのなかでも、今、世界的に人気を博しているのが“アドベンチャー”だ。JAIA二輪輸入車試乗会より、ブランドの個性が光る「ハーレーダビッドソン・パン アメリカ」「ドゥカティ・デザートX」「ロイヤルエンフィールド・ヒマラヤ」の走りを報告する。

Vツインの新たな傍流 ハーレーダビッドソン・パン アメリカ1250スペシャル

ハーレーに乗っている感じがしない! それが、2021年の夏に国内発売されてからようやく試乗がかなった、「パン アメリカ1250スペシャル」の偽りなきファーストインプレッションだ。

業界が呼ぶところのアドベンチャーモデル。ハーレーがこのジャンルに挑もうとした事実がまず衝撃的だったので、ヘッドライトまわりに古いAppleコンピューターのボディーをかぶせたような特異なデザインを施してきたことには、感心こそしても驚きはしなかった。ジャンルからして、すでにハーレーの本流から大きくそれていたからだ。

そんなわけで、大河に注ぎ込む支流のような違いを想像して走りだしてみたら、流れの強さも川幅も支流のイメージを凌駕(りょうが)していた。湧き出る最初の一滴は同じ場所かもしれないが、パン アメリカは完全に別の一級河川。まずレバーやペダルのつくりとタッチが、アメリカの大男でなくても難なく受け入れられるユニバーサルレベルだ。オフロード走行も想定内のアドベンチャーモデルゆえ、操作系の扱いやすさは必須条件だったと思うが、そこに既存の極太レバーやグリップを用いなかっただけでも、ハーレーが別の景色を用意する意欲が強く感じ取れた。

それから、「レボリューションマックス」と命名された1252ccの水冷ツインエンジン。形式こそハーレーらしいが、鼓動感より加速感が重視されているようで、軽やかな吹け上がりには異次元を見た思いがした。

加えて、電子デバイスの大量投入。車速が7km/h以下になると自動的に車高を下げるという「アダプティブライドハイト」。それに連動するセミアクティブサスペンション。その他もろもろ。ライドハイトの動きなんて、あまりに滑らかすぎて体感できなかった。

これはある種の総論。いまだ多くの人が『イージー・ライダー』の世界観をハーレーに求めてやまないことを知っていながら、ハーレー自身は新しい流れをつくった。その象徴がパン アメリカ。これを何と呼ぶかをひたすら考えて、自分のボキャブラリーでは「傍流」という言葉にたどり着いた。

さて、オン・オフ混然のロングツーリングでパーフェクトな性能を発揮しそうな製品にひとつ問題があるとしたら、誰がこれに乗るかだろう。ハーレーを欲する人は、よくこんなセリフを口にする。「大型バイクではなくハーレーに乗りたい」と。そんな信条の持ち主が「ハーレーに乗っている感じがしない」パン アメリカも目指すかといえば、たぶん眼中に入らない。それはハーレーも承知しているはず。では誰が喜ぶのか? アドベンチャーモデルを好む人々?

個人的にはアドベンチャーモデルにそこまで精通していないので、オチがつけ難い。なおかつ困っているのは、次の別ブランドでも似たような問題にぶち当たったことだ。

(文=田村十七男/写真=向後一宏/編集=堀田剛資)...

提供元:webCG

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