やっぱりイタリアが面白い!
軽快でスタイリッシュな「ドゥカティ・スクランブラー」に、全米選手権を制した「アプリリアRS660」、温故知新のハイテクツアラー「モト・グッツィV100マンデッロS」。JAIA二輪輸入車試乗会で、伝統と情熱が宿るイタリアンモーターサイクルの魅力に触れた。
難しく考えないで楽しもう! ドゥカティ・スクランブラー アーバンモタード
恥ずかしながら、ただの一度も乗ったことがなかったのがドゥカティの現行スクランブラー。デビューの2015年からすでに8年。なぜなのかどうしてなのかオレがわるいのか、試乗のチャンスにまったく恵まれなかった。タイミングと言ってしまえばそれまでだけど、「ここまで来たらフン、意地でも乗ってやるもんか」と斜に構えたのもつかの間、今年のJAIA会場でいきなり引き合わされてしまったのである。得てして出会いとはそういうもの……なのか? 求めよさらば与えられんじゃないのか?
話をスクランブラーに戻そう。ざっくりアウトラインを記せばドゥカティが1960〜70年代に生産していた同名モデルを意識しつつ、53年のときを経て新たなストリートバイクとして現代によみがえらせたのが実質第3世代となるスクランブラーシリーズだ。委細ははしょるが、ポップでコンパクトなボディーはいかにもとっつきやすそうで……なんだよ、やっぱりコレってオレ向きドゥカティじゃん(笑)。あまりに速すぎていかんともしがたい前傾必須マシンばかりが目立つドゥカティにあって、こっちを向いてくれている数少ない穏当なモデルのスクランブラーは想像していた以上に優しきナイスガイだった。
まず涙が出るほど足つきがいい。ちょっとだけステップが邪魔だけど、両足がベッタリと着地している。トラッカーらしさにあふれた幅広ハンドルは「100%フツーのバイクにはしませんよ、ドゥカティなので」というアピールを感じるし、むしろそのおかげで元気なイタリアンモトを操っているという自意識もしっかり高揚させてくれる。高めのハンドル位置と乾燥重量180kgが相まって取り回しも楽チン。ドゥカティ十八番の荒っぽいVツイン感はしっかりと丸められ、滑らかで扱いやすいフラットトルクの空冷L型2気筒エンジンには気難しいところはほとんどない。積載はそれほど期待できなさそうだけれども、スクランブラーの主戦場はロングライドよりもショートレンジ、街乗りやワンデーツーリングとなる気がする。
スクランブラーシリーズは派生モデルが多すぎて、それぞれのキャラの区切りを見つけるのが簡単じゃない。今回試乗した「アーバンモタード」に架装されるのはストリートっぽいグラフィック、前後17インチスポークホイール、ピレリ製の「ディアブロ ロッソ3」、そしてゼッケンプレート風サイドカバーなどなど。だけど、その立ち位置は正直言ってよく分からなかった。でもそれでいいじゃない。スタイリングとカラーリングが気に入れば総じてOK! そんな軽めのスタンスがスクランブラーらしさなのだから。
(文=宮崎正行/写真=向後一宏/編集=堀田剛資)...