クラシックを遊び尽くせ
豪速ネオクラシックの「トライアンフ・スピートツイン1200」に、青春を思い出す「ロイヤルエンフィールド・スクラム411」、復活を果たした名門の手になる「ベネリ・レオンチーノ125」。JAIA二輪輸入車試乗会から、懐かしくも新しい3モデルの走りをリポートする。
見た目にダマされるな トライアンフ・スピードツイン1200
トライアンフがずっとずっとつくっているバーチカルツイン搭載のモダンクラシックライン、それが「ボンネビル」シリーズだ。ざっくりと言えば、それらのなかでもスポーツ寄りのモデルがこのスピードツイン1200ということになる。そんな、わりと穏当なイメージを勝手に抱いてコースに走りだした筆者は完全にダマされていた。
乗車前にグルリと車体を見渡して、たしかに「ふふん、イカついタイヤを履いちゃってまあ」と鼻で笑ったことは素直に認めよう。足もとには“公道レースで勝つためのタイヤ”をうたう「メッツラー・レーステックRR」という超ハイグリップタイヤが装着されている。「ダートになんて行かないくせにマッドテレインタイヤを履いた四駆みたいなもんでしょ〜(キラいじゃないけどさ)」とタカをくくったのもつかの間、JAIAの試乗コースで一番スピードが乗せられるストレートでスロットルをワイドに開けたら……速い! ちょっとこわい!
ボア×ストローク=97.6×80mm、排気量1200ccの2気筒エンジンがデリバリーする最高出力100PSはいまどき大したことないのかもしれないけれど、4250rpmで発生する最大トルク112N・m……こっちがとんでもなかった。ついさっきまで「意外とフツーね」と感じていたしつけのいいジェントルな排気音とニュートラルなライディングポジションのことなんて、一瞬で頭の中から消えてなくなり、ものすごい勢いで迫ってくる前方のコーンとの距離を測りながらフルブレーキの準備に全集中して身を構える。ああ、間に合ってよかった。ABSがあってよかった。4気筒なんていりません。
1930年代のイギリス。経済危機のあおりを受け、苦境に立たされていたトライアンフのクライシスを救ったのが、1938年製スピードツインだった。そんな、ちょっと重いヒストリカルな車名を背負って2019年にデビューした現行スピードツインだけど(参照)、その走り味は「過ぎた昔のことなんてぶっ飛ばせ!」級にマッチョなのである。偏差値はさておき、スカッとはしている。ラジアルマウントのブレンボはダテじゃない。仕立てのいいスーツの中はバキバキだぜ。
(文=宮崎正行/写真=向後一宏/編集=堀田剛資)...