近未来が詰まってる
最高出力156PSの1.5リッター直3ガソリンターボを搭載する、BMWのコンパクトハッチ「218iアクティブツアラーMスポーツ」。試乗したリポーターは、FF車のエントリーモデルながらBMWらしい伝統の味わいを感じると評価した。その理由とは?
ド真ん中にして正統
昔ながらのクルマ好きにとってのBMWらしいBMWといえば、かつての「ノイエクラッセ」からの伝統を受け継ぐ「3シリーズ」か、あるいはそれを高性能化した「M3」か。そうでなければ“世界一美しいクーペ”と評された「6シリーズ」の系譜を継ぐラグジュアリークーペかもしれないし、イタリアとドイツを融合した「M1」を想起するエンスージアストもおられよう。いずれにしても、いかにも低くて鍛え抜かれた古典的で美しいハンサムカーだ。
しかし、今のBMWはそうした伝統的BMW像から、意図的に遠ざかりつつある。たとえば、BMWの近未来像を示すべき電気自動車の「iX」は背高クロスオーバーハイトワゴンだし、謹製スポーツブランドの今後を示唆する(M1以来47年ぶりの!)M専用モデルの「XM」もいわゆるSUVだ。そして、フラッグシップの「7シリーズ」はモデルチェンジごとに大型化と巨顔化(?)が止まらない。
この2シリーズ アクティブツアラーなどは冒頭の古典派エンスージアストの皆さんにとっては「もっともBMWらしくないBMW」かもしれない。しかし、実際には先代モデルは8年間で43万台を売り上げて、全体の8割が初めてのBMWとして購入した顧客だった……という事実を知れば、これを「らしくない」などといっている場合では、もはやない。それどころか、iXやXMが新しいBMWのメインストリームだとすれば、アクティブツアラーこそがド真ん中にして正統なエントリーモデルと捉えるべきだろう。
インテリアに目を移しても、水平基調のダッシュボードに突き刺さる「カーブドディスプレイ」をはじめ、アイランド型のシフトコンソールや薄型エアコンアウトレット、パンチングメタルのスピーカーネット……といったディテール群は、iX以降の新世代インテリアデザインそのものだ。同じ2シリーズでも、「グランクーペ」や「クーペ」のそれはいかにも古典的というほかない。...