みなぎる全能感
16代目で旧来のイメージを一新し、ガラリと生まれ変わった「トヨタ・クラウン」。その第1弾として登場した「クロスオーバー」は、果たしてその名に恥じないだけの走破能力を備えているのだろうか。冬の北海道で試してみた。
FFと呼ばないで
自分のようなクルマ漬けの仕事をしていても「とうとうクラウンもFFになっちゃってなんか調子狂う感じだよねー」などと飲み屋でうっかり口にしてしまうのだけれども、新しいSH35系クラウン クロスオーバーは全グレードが4WDとなっている。
まさに自分のような口さがない輩(やから)にFFと揶揄(やゆ)されるのが嫌だなあと思ったからか、はたまた新たに挑戦する北米市場のスノーベルトや東海岸では4WDがマストとなっているからか。エンジニアに尋ねたらあきれ混じりの苦笑が返ってきた。まぁ走ってみてください、と。
場所は北海道の士別にあるトヨタのテストコース。初代「レクサスLS」の開発に歩を合わせるかたちで1987年に全面開業となった、同社の実験施設では最大規模となるコースである。特に冬季は低温環境でしか確認できない試験が積み上がるそのコースの運用が終わった週末を活用して、クラウン クロスオーバーの雪上試乗の機会を設けてくれたというわけだ。
クラウン クロスオーバーのパワートレインは2つ。共にフロントアクスル側はエンジン+モーターのハイブリッド、リアアクスルはモーターのみで駆動するが、グレードごとの仕様は大きく異なっている。
「RS」の側はトヨタとしては初採用となる「デュアルブーストハイブリッド」+「E-Fourアドバンスト」で、フロントアクスル側には駆動と回生を兼ねた高トルクモーターが1つ、6段ATのトルクコンバーターを取り払ったスペースに置かれている。これを2.4リッターターボユニットと多板クラッチを介して組み合わせることで強力なパワーを得るとともに、それに合わせるかたちでリアアクスルには水冷式モーターを組み合わせ、リアタイヤ側も大きな駆動力を継続的に発生できるようにしつらえている。システム出力は349PS。チューニングは違えど同様のシステムを採用する「レクサスRX500h」の、その車名が示すとおり5リッター級のアウトプットが売りとなっている。...