ザ・ワインディング・モンスター
アメリカの老舗インディアンモーターサイクルから、新型クルーザー「スポーツチーフ」が登場。“走りを磨いたクルーザー”というユニークなニューモデルは、いかにして登場したのか? 看板に偽りなしか? その実力を、テキサスのワインディングロードで試した。
車重300kgの怪物で“スポーツ”を楽しむ
大型クルーザーである新型インディアン・スポーツチーフでスポーツするのは、なかなかに痛快だった。
もちろん、ここで言うところの“スポーツ”とは、スーパースポーツやネイキッドでワインディングロードを走るスポーツライディングとは少し違っている。なにせ、エンジンは排気量1890ccのV型2気筒空冷OHVであり、車重は300kgを超え、ホイールベースは1640mmもある。そもそも、そんなクルーザーでスポーツする意味があるのか? という疑問すら湧いてくる。
しかし今、アメリカを中心としたビッグクルーザー市場では、走りのポテンシャルを高めたスポーツクルーザーで超高速のハイウェイクルーズやワインディング走行を楽しむ=スポーツするのが大流行。いや、単にはやっているだけでなく、アフターパーツメーカーを巻き込んで巨大な経済圏をつくり上げているのだ。そして、その経済圏でのシェア争いを可視化しているのが、バガーと呼ばれるサイドリアケース付きの大型クルーザーで競われる人気レース「The King of Baggers(ザ・キング・オブ・バガース)」だ。そこではマーケットと同じく、インディアンとハーレーダビッドソンがしのぎを削っている。
2021年に発表された新生「チーフ」(スチールパイプを使った新型フレームに、それまで大型クルーザーに搭載されていた「サンダーストローク116」エンジンを搭載したパフォーマンスクルーザーだ)では飽き足らず、それをベースに走りを磨いたスポーツチーフを市場投入した理由は、この経済圏でのシェア拡大を狙ったためだ。もちろん、手の入れようは中途半端なものではなく、例えば前後足まわりのパフォーマンスを高め、カウルを装着し、ライザーと呼ばれるトップブリッジとハンドルをつなぐクランプを長くして、高く幅の狭いハンドルを装着している。...