ここからが本番だ
日本の2メーカーが共同開発した電気自動車(BEV)「トヨタbZ4X」と「スバル・ソルテラ」。ライバルが出そろってきたところで、この“和製BEV”の仕上がりをあらためてチェック。その美点と弱点からは、メーカーのBEV戦略が抱えるややっこしい事情が垣間見られた。
出ばなをくじいた発売直後のリコール
トヨタbZ4Xとスバル・ソルテラと聞けば、日本発売直後のリコールがメディアに大きく取り上げられたこともあり、ハード的に生煮え的なイメージを抱いている方は多いのではないだろうか。実際、リコールの対策内容が発表されるまでには3カ月以上の時間がかかり、国交省の届出受理後にはトヨタの技術トップがメディア向けに説明機会を設けるなど、その手当てにはかなり慎重に臨んでいたようにうかがえた。
原因は、ホイールとディスクの合わせ面の精度に個体差が生じ、ハブボルトの緩みが生じる可能性があるというもので、ハブボルトの仕様とホイールの加工の両方を見直すことで解消できたという。全世界のリコール台数は両銘柄合わせて約2700台。日本のそれは、恐らく大半が試乗車等だっただろう200台に満たない数に収まったため、全数把握も容易でタイヤ脱落等の実害も出ていない。
とはいえ、だ。欧・中を軸に急進するBEV化への流れのなかで、その波に乗り遅れていると大小マスコミに散々言われてきた日本の、トヨタとスバルが共同開発した肝いりの専用設計BEVに出落ちのようなミソがついたわけで、これは彼らのさらなる日本たたきの、かっこうの材料とされても仕方がない。
さらに、リコールを終えて本格的に出回り始めたこの両車は、メーターにSOC(State Of Charge=バッテリーの充電率)が表示されないことや実電費の悪さ、急速充電の受け入れ制限のキツさなどが指摘されている(参照)。いずれもドライブ中の不安要素軽減やバッテリーの品質安定といった安心・信頼にまつわる利を鑑みての設定だったことは想像がつくが、一部アーリーな方々は、ここぞとばかりにネットで声を上げている。
そんな逆風のなか、「同級のライバルも出そろい始めたことだし、今年は仕切り直し」という思いも強いだろうbZ4X&ソルテラの長所や短所をあらためて確認しようと借り出したのは、スバル・ソルテラの側。上位グレードの「ET-HS」で駆動方式は4WD(そもそもET-HSは4WDのみの設定だ)。価格は682万円となる。...