いい人でいいじゃないか
「ホンダ・フィット」に待望の「RS」が復活! ビッグネームの帰還にホンダ党は歓喜するだろうが、そもそも「心地よさ」を売りにしている現行型フィットだけに、いわゆるホットハッチのようなクルマとはちょっと違う。「e:HEV」モデルの仕上がりをリポートする。
何が足りないのか
もっと売れてもいいはずなのに……というフィットの評価には、「いい人なんだけどねえ……」と同じ響きを感じる。ということは、言葉にならない点々の中に何かしらの不満と希望が伏せられているのだろう。
ご存じのように、現行型ホンダ・フィットは同時期にモデルチェンジしたライバルの「トヨタ・ヤリス」に思いのほか水を空けられている。2020年2月に発売された4代目の通称“柴犬”フィットの2020年の年間販売台数はおよそ9.8万台、それに対してヤリスは同じく15万台(ただしトヨタの場合「ヤリス クロス」なども合計されている)。翌2021年はフィット6万台に対してヤリス21万台とさらに差が開き、2022年上半期では3万台と8万台という具合に大きく引き離されている。
かつて初代フィットがデビュー翌年の2002年に、それまで33年間にわたって王座を守り続けていた「カローラ」を引きずり下ろし、年間販売台数ナンバーワンに輝いたことを知る人にとってはなおさら物足りないはずだ。さらにこのところは「日産ノート」にも、もっと言えば身内の「フリード」にもかなり差をつけられているから、何か手を打たなくてはならなかった。いまひとつ、売れ行きが芳しくない新型フィットへのテコ入れのための今回のマイナーチェンジと見ていいだろう。...