走るよろこびを思い出せ
スズキのパワートレインを搭載した軽のケータハム(ダジャレじゃないよ!)が、「セブン170S」に進化。新エンジンを得た660ccのセブンは、従来モデルからどこが変わり、なにを受け継いだのか? 超軽量マシンがかなえる、ドライビングの原初のよろこびに触れた。
どんなクルマと比べればいいのよ?
……今、アナタが読んでいるこうしたクルマの試乗記に、“製品の品評”に加えて“運転行為の追体験”というエンタメ要素があるとしたら、ケータハム・セブン/スーパーセブンほど執筆が難しいクルマはないでしょう。理由は、似たクルマ、比較対象になるクルマがほかにないから。セブンはどこまでいってもセブンで、「ハンドリングは〇〇より〇〇で〜」とか、「〇〇と××を足して2で割った感じ〜」といった表現を、一切受け付けない。
それでも、そうした安易なとっかかりナシにセブンの“クルマとなり”を皆さんと共有するには、来歴を紹介するのが手っ取り早いと思う。始まりは1957年にロータスが発表した軽量スポーツカーで、1973年にケータハムがその製造・販売権を取得。今日もつくり続けているというわけだ。もちろん、その間にはあまたの変更・改良があったのだが、鋼管フレームにアルミ板を張り付けたシンプルなクルマのつくりと、軽量・単純を是とするコンセプトは今も変わらない。ケータハム・セブンは、とにかく軽くて超原始的なクルマ。そこだけ理解してもらえれば、つかみはオッケーだ。
さて、今回紹介するクルマは、そんなケータハムのなかでもセブン170Sと呼ばれるモデルである。スズキの軽自動車用エンジンを搭載したセブンシリーズの最軽量モデル、その最新版だ。直系のご先祖さまは2013年登場の「セブン130/160」。170シリーズはその後継にあたり、今回取材したスタンダードな170Sに加え、よりスポーツ走行に特化した「170R」がラインナップされる。
ちなみに、車名の数字は「車重1t換算でのエンジンの馬力」をあらわしたもので、詳しい方ならお察しのとおり、170シリーズは160の80PSから85PSに最高出力がアップしている。そして逆算すればわかるとおり、同車の車重はわずかに500s(!)。これは誇張した数字ではなく、車検証にも車両重量の枠に「490kg」と記されている。...