昭和のオヤジも欲しくなる
女性向けのニッチなモデルから、より幅広いユーザーに受け入れられるべくフルモデルチェンジ! 新型となった「ダイハツ・ムーヴ キャンバス」の進化のポイントを、新しいターゲット層に属する“昭和のオヤジ”がチェックした。
ニッチ商品から屋台骨へ
新型ダイハツ・ムーヴ キャンバス(以下、キャンバス)は、2016年秋の初代キャンバス登場から、ほぼ6年ぶりのフルモデルチェンジにより登場した。もっとも、本家(?)となる「ムーヴ」の現行型は、それより1年半も長いライフに到達しているのだが、こちらのモデルチェンジはまだ先のようだ。
最近の軽自動車(以下、軽)市場の中心が、スライドドアワゴンにはっきり移行しつつあるのはご存じのとおり。実際、2018年までは伝統的なムーヴとキャンバスの販売台数は抜きつ抜かれつだったが、2019年くらいから常にキャンバスが上回るようになり、近年ではムーヴシリーズ全体の約6割をキャンバスが占めるようになっていた。軽市場全体の動向から見ると、その差は今後さらに開く可能性が高い。モデルチェンジも単純な年功序列ではなく、売れ筋のキャンバスを優先するのはビジネスとしてはまっとうなのだろう。
初代キャンバスは“親と同居する独身女性”という当時のダイハツが手薄としていた客層をピンポイントでねらったニッチ商品だった。メインで乗るのはムスメだが、共用する親もミニバンどっぷりの世代なので、スライドドアの利便性は身にしみている。購入資金はどうせ親が援助するので、スイングドアより値が張るスライドドアでも問題ない。そのうえで、若い女性の妥協なきオシャレ心を満たす……のが初代キャンバスだった。
新型キャンバスの商品企画チームによると、実際の初代ユーザーも想定どおりに20〜40代の女性が多かったという。しかし新型では、今回の試乗車でもある「セオリー」という落ち着いたカラーデザインや、パワフルなターボモデル(初代はNA=自然吸気のみ)が追加されたことからも分かるように、四方八方の「こういうのがあれば買うのに……」という声を聞いての商品内容となった。ニッチからダイハツの屋台骨への脱皮である。...