サーキットが本籍地
ピュアなレーシングカーである「ポルシェ911 GT3カップ」譲りの4リッター水平対向6気筒エンジンを得て、一段とサーキットに近い成り立ちとなった新型「911 GT3」。その実力を南スペインで試した。
911は時代に柔軟なスポーツカー
ボディー後端へのエンジンマウントや水平対向6気筒のエンジンデザインといった、今や貴重なアイコンでもあるハードウエア上の特徴。それとともに、911というモデルを語る上での欠かせないポイントが、「他のライバルスポーツカーには例を見ることのない、多彩なバリエーションを用意する」ということだ。
クーペにカブリオレにタルガ……と、基本ボディーだけでも3種類。そこにさまざまなエンジンが搭載され、伝統的な後輪駆動に加え4WD仕様も設定。トランスミッションにはMTと“PDK”と称するDCTの2タイプが用意され、さらにポルシェ車ならではの“走りのオプション”をトッピング……となると、実はもはや天文学的と言ってもいい多くの種類を選ぶことが可能になるのが、現代のポルシェ911。
かくも数多くのバリエーションを用意するのは、やはりこのモデルならではの特徴でもある、半世紀を軽く超えるその長い歴史にも要因があるはず。
スポーツカーとしては他に例を見ない長寿モデルの911は、当然それだけ長いさまざまな歴史背景の中を生き抜いてきた。その時の流れの中には当然、人々の嗜好(しこう)や価値観の変化、そしてレギュレーションの変化といった事柄も存在するわけだ。
すなわち、そうした時代ごとの要請を受け、それに対応をしてきたからこそ、911は他に例を見ないワイドなバリエーションをそろえるスポーツカーへと進化を遂げてきたとも考えられる。
そうした中にあって、一般公道を走行可能な準備は整えるものの、実は生まれも育ちもサーキット――そんなキャラクターがとことん強い911が、ここに紹介をする「GT3」という記号が与えられた一台だ。...