もうハンカチーフはいらない
北欧ののどかな地で生まれた“デカかっこいい”クロスオーバー、「V90クロスカントリー」。ワイルド&都会的に仕立てられたキミは、一体どこへ向かおうとしているのか? 筆者の老婆心をよそに進化を遂げた、最新モデルの出来栄えに迫る。
第一印象は“デカかっこいい”
ここ10年ほど、ボルボの新型車を見るたびに、頭の中で太田裕美が「木綿のハンカチーフ」を繰り返し歌うのである。心のどこかで、都会の絵の具に染まらないでほしいと願っているのかもしれない。
2008年デビューの「XC60」や2012年に出た「40シリーズ」は、都会派のプレミアムを目指して東へと向かう列車に乗り込んだ。でも心のどこかで、「無口だけれど誠実な北国の朴訥(ぼくとつ)な青年でいてほしい」と思っていたのだ。 だって都会に出たら大変だよ。ライバルは多いし、競争も激しい。北の国から出ないで、のんびりと暮らす方が幸せではないのか。
けれどもそんな心配は大きなお世話で、2016年には過去最高の販売台数を記録するなど、都会に出たボルボは大成功を収めた。そしてその成功をさらに盤石のものとすべく、SPA(スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー)という新しいプラットフォームを導入した。
新プラットフォームの第1弾が大型SUVの「XC90」で、セダンの「S90」とワゴンの「V90」も続いた。そして今回試乗したのが、V90にワイルドなSUV風味を加えたV90クロスカントリーだ。ワゴンとSUVのいいとこ取りをしたクロスオーバーと呼ばれるカテゴリーの歴史をさかのぼれば、1997年デビューの「V70XC」が祖先ということになる。
ぱっと見の第一印象は、“デカかっこいい”というもの。サイズを「メルセデス・ベンツEクラス ステーションワゴン」と比べれば、全長4940mmは同じだが、全幅は1905mmと、55mmも幅広い。 運転席に座れば四隅が把握しやすいうえに取り回しもいいけれど、堂々としたサイズであることは間違いない。...