軽やかなスーパースパイダー
「ランボルギーニ・ウラカン スパイダー」の後輪駆動モデル「ウラカンRWDスパイダー」に試乗した。前輪の駆動機構を捨てたことによって生まれた軽快感を、風とたわむれながら味わうこと。それこそが、このクルマの醍醐味(だいごみ)と言えそうだ。
RWDの利点とは何か?
webCGの読者諸氏に対して、いまさらこの車のスペックを詳しく紹介するまでもないだろう。なので車両の説明はざっと概要だけにとどめたい。ウラカンのRWD(後輪駆動)仕様はすでにクーペには加わっている。それと同様に、このウラカンRWDスパイダーは4WD仕様から前輪駆動部分を引き算したものと思っていい。
RWDにした趣旨は、もちろんコーナーでオーバーステアが楽しめ、カウンターステアで豪快にまわっていく、あの感覚を味わってくださいということなのだと思う。しかし最近では各種電子デバイスが装備されていて、ホイールスピンさせることさえままならない。また実際にテールを流して走るなどということは、車両をそういった態勢に導くこと自体、少なくとも公道では無理だ。もちろんグリップに優れたタイヤが与えられていることも、そういった走りを難しくしている。となるとRWDの利点とは何だろう? それはひとつには“省略”による軽量化で、動きそのものに軽快感が生まれることだ。また省略は燃費や車両価格にも反映されているだろう。
実際にウラカンRWDスパイダーで走ってみると、駆動系や足まわりの剛性感は、駆動輪が2輪なのか4輪なのかさえわからないくらい高い。しっかり加速するし、減速もしてくれるし、サスペンション取り付け部のコンプライアンスなどから駆動方式の違いを見抜くことはできない。感覚的に後ろから押して前で曲がっていくという、そんな遅れも感じられない。またFRと違ってプロペラシャフトがなく、エンジン/ギアボックスの重量がそのまま駆動輪荷重として寄与するので、トラクションは十分に発揮され、強大なパワーはそのまま安定性に直結する。とにかくスロットルを開ければいつでも、前輪舵角の向いている方向に強力に押し出される。
それからもうこの手の高性能車をキッチリ語るのは筆者にはムリ。トシをとりすぎている。でもイタリアの高性能車には人一倍興味はある。かつてのスーパーカーの時代から今に至っても、乗せてもらえれば心ときめくものがたくさんある。かつてランボルギーニのサンターガタ工場では、船舶やトラクターが高性能SUVの始祖「LM-002」、そして「カウンタック」などと同じ社屋内で造られていた。あの頃のことを思い出しながら試乗記をつづってみようと思う。...