チャレンジのはじまり
ボルボでは初となるEV専用のクロスオーバーモデル「C40リチャージ」。上質なマナーをみせつつも活発さが印象的なその走りは、全ラインナップ電動化へと舵を切った、このブランドの今後を象徴するかのようだった。
大きな戦略の具体策
ボルボブランド初のEV専用モデルであるC40リチャージに、その生まれ故郷であるベルギーで試乗した。
2021年3月、ボルボが「2030年までに電気自動車のプレミアムカーブランドに移行する」と宣言したことは皆さんもご存じかもしれない。これは、世界的なCO2削減の枠組みであるパリ協定の実現に向けた実に意欲的かつ大胆な戦略だが、冷静に考えて「それって達成可能なの?」と思えなくもない。
ボルボは2020年に全世界で66万台ほどを販売したが、このなかに含まれるEVはごくわずか。裏を返せば、彼らはすでに手にしている66万台分の市場を投げ打って、まだ実績がないも同然のEVに社運を賭けようとしているのだ。
それでもボルボをはじめとする多くのヨーロッパ車メーカーがEVを販売の主力に据えようとして躍起になっている。なぜだろう?
「ボルボ程度の規模ではエンジン車とEVの両方を手がけるのは困難で、だったらすべてEVにシフトしたほうが経営の効率化が図れる」という見方はもちろん成り立つ。もしかすると、CAFE(企業別平均燃費基準)をはじめとする世界各国の排ガス規制に適合しようとすれば、ボルボにはEV以外に選択肢が残されていなかったのかもしれない。「いち早くオールEVメーカーに移行することでブランドイメージの向上が図れる」という邪(よこしま)な思いだってないわけではないだろう。...