台風の目となるか
BMWのビッグクルーザー「R18」シリーズに、巨大なカウルとサイドケースを備えた「R18B」が登場。ドイツ発のアメリカンツアラーは、どのような走りを味わわせてくれるのか。セグメントのど真ん中に切り込んだBMWの本気度を探った。
大きさを忘れさせる軽快感
BMWがつくるアメリカンクルーザーとはいかなるものか、興味津々だった。そしてR18Bに乗ると、それは実にBMW的で、巨大なクルーザーカテゴリーにも独自の方程式をもって挑もうという彼らの気概が感じられた。
BMWは2021年8月、新型車のR18Bと「R18 Transcontinental(トランスコンチネンタル/以下TC)」を世界初公開した。日本でも同年9月27日に販売が開始されるのだが、それに先立つ9月上旬に、独フランクフルトで開催された国際試乗会に参加することができたのだ。冒頭は、その取材を終えての感想である。
今回試乗したR18Bと、同時に発表されたR18TCは、先にラインナップされR18ファミリーを形成している「R18」とも「R18クラシック」ともキャラクターが異なる。それを決定づけているのが、R18BとR18TCに装備された大型フロントカウルとリアサイドケース(TCはトップケースも)、そして電子制御デバイスである。
フロントフォークにマウントされたカウルは大きくて重く、そのままだと低速走行時のハンドル操作に支障をきたし、高速走行時には直進安定性を損ねる可能性が高い。しかしR18Bでは、クラッチをつないでタイヤが転がり始めると、すぐに車体の重さ、特にフロントまわりの重さが解消される。もちろん多少の慣れは必要だが、自分は交差点を2つクリアしたあたりから極低速域での特性に慣れ、それからは、車体の大きさからは想像ができないくらいの“軽さ”を感じ始めた。
このフィーリングは高速道路の走行中も変わらなかった。レーンチェンジなどで車体を直立状態から左右に傾け始めるあたりの軽快感が抜群なのだ。それでいて直進状態での安定性も非常に高い。今回、高速セクションは午前中の混雑する時間帯と重複したものの、それでも日本の法定速度を超える速度域での走行を試すことができ、そこでの安定感は非常に高かった。とにかくライダーの入力に対する車体の反応はよいのに、それによって走行安定性が損なわれることがないのだ。...