やりすぎない美学
高出力のターボエンジンとフルタイム4WDシステムを組み合わせた「アウディS3スポーツバック」がマイナーチェンジ。進化を遂げた高性能ハッチバックの走りには、スポーティー一辺倒ではない“S”ならではの流儀が感じられた。
ポジショニングはきっちりと
webCG編集部Fさんからクルマをバトンタッチした。ふだん「ゴルフGTI」を愛用している彼に、初めて乗る新型S3スポーツバックの感想を聞くと、「軽くてイイですねえ」と感心して言った。
ゴルフクラスのアウディ、「A3」シリーズにマイナーチェンジが施され、S3にも小変更が加えられた。フロントグリルが六角形になり、LEDヘッドランプの表情が涙目から切れ長になった。内装では、計器盤でカーナビの地図が見られるなど、最新のドライブインターフェイスを備えた“バーチャルコックピット”が付いた。
パワートレインでは2リッター4気筒ターボがパワーアップした、といっても285psから290psへの微増で、38.8kgmのトルクは変わっていない。実質的な変更はSトロニックが6段から7段になったことだろう。
ノーマルでは飽き足らない人の、高性能A3がS3である。本国では3ドアやカブリオレもあるが、日本仕様の品ぞろえはA3と同じく、5ドア(スポーツバック)と4ドアセダン。290psの2リッター+4WDだから、ゴルフでいうと、220psのGTIを飛び越えて、“R”相当といえる。
昨年、ゴルフはニュルブルクリンクFF市販車最速を狙った265psのGTIクラブスポーツを限定販売したが、アウディの“3”には、「RS 3」という別格のトップガンが君臨している。あくまで控えめに、上品に見せておいて、実はしっかりフォルクスワーゲンにマウンティングしているのがアウディである。...