これまでは、「売上最大化、利益最大化」が常識だった。
これからは、「売上最小化、利益最大化」が常識になるかもしれない。
「株価上昇率日本一(1164%)の超効率経営」
「従業員一人あたり利益がトヨタ、NTT、三菱UFJ、KDDI、三井住友FGより高い」
「新卒初任給は日本で2番目(2021年実績)の高さ」
という「北の達人コーポレーション」木下勝寿社長、
初の著書『売上最小化、利益最大化の法則──利益率29%経営の秘密』
が発売たちまち重版。日経新聞にも掲載された。
「びっくりするほどよい商品ができたときにしか発売しない」
という圧倒的な商品開発でヒットを連発。
「会社の弱点が一発でわかる“5段階利益管理表”」
「売上を半減させ、利益を1.5倍、利益率を3倍にする方法」
「売上ゼロでも生き残れる“無収入寿命”」
「組織全体にコスト意識が生まれるたった一つの方法」
を記念すべき初の書籍で惜しみなく公開し、
「不況下では、売上10倍はリスク10倍」と断言する木下社長を直撃した。
松下式「ダム経営」と
「無収入寿命」の関係
これまで紹介してきた「無収入寿命」の考え方は、家計を預かる人の立場で考えたら、当たり前のことだろう。
働き手が何らかの理由で失業してしまった。突然、会社がつぶれてしまった。
こうしたアクシデントに備え、生活費を貯めているだろう。
4人家族の平均的な1ヵ月分の生活費を家賃込で40万円程度とした場合、預貯金が400万円あれば、無収入寿命は「10ヵ月」となる。
預貯金がほとんどない状態(無収入寿命が1ヵ月など)なら、借金してまで住宅や自動車を買わないだろう。
だが、会社では平気でそれをやる。
多くの経営者は「売上を上げるには投資が必要」と思い込み、手元資金がないのに銀行などから借入をして設備投資をする。
家計では絶対やらないのに、経営でやってしまうのは、「経営にはカネがかかる」「投資が必要」という思い込みがあるからかもしれない。
また、多くの経営者は、在庫などの棚卸資産の適正処分ができない。
棚卸資産があると、損益計算書(P/L)上は儲かっているように見える。儲かっているように見せないと、銀行から融資が受けられない。
そもそも銀行から借入しようと思わなければ、そうする必要もない。
悪循環なのだ。
手元資金がないのに借金して投資するのは、はたして「永続的経営」なのだろうか。
無収入寿命をのばすという考え方は、パナソニックの創業者・松下幸之助氏が言う「ダム経営」と同じだ。松下氏はある講演でこう語った。
「好景気だからといって、流れのままに経営するのではなく、景気が悪くなるときに備えて資金を蓄える。ダムが水を貯め、流量を安定させるような経営をすべきだ」(1965年2月の講演)
聴衆の一人が、
「ダム経営の大切さはわかるが、そのやり方がわからないから困っているんですよ」
と尋ねた。松下氏は、
「まず、ダムをつくろうと思わんとあきまへんなあ」
と答えた。聴衆は落胆したり、顔を見合わせて苦笑したりした。
しかし、「これをやったから松下は大企業になったのだ」と気づき、実践した人がいた。
京セラ、第二電電(KDDI)を創業し、日本航空の経営を再建した、あの稲盛和夫氏だった。