調律の妙
国内外で販売好調が伝えられているプジョーだが、その秘密は一体どこにあるのだろうか。ミドルサイズSUV「3008」とマルチパーパスビークル「リフター」の最新モデルに試乗し、快進撃の理由を考えてみた。
販売の柱となった3008
先日の「3008 GTハイブリッド4」の試乗リポートは、文中でも触れているように、インポーターが「オールSUV〜」と銘打って開催したフルライン試乗会で取材したものだ。そういわれてみると、プジョーの国内ラインナップは、いつしかクロスオーバーSUVが非常に充実した構図になっていた。車名が「2」「3」「5」ではじまる各クラスすべてに4ケタ車名(=プジョーにおけるSUV系の車名)の商品がすでにあり、商用車由来の箱型ワゴンであるリフターまでもが、兄弟車との差別化を図るためにSUV風の仕立てになっている。
最近、地元欧州での好調が伝えられるプジョーを後押ししたのは、欧州カー・オブ・ザ・イヤーを獲得して、市場でも大ヒットしている現行3008といわれる。また、日本でのプジョーの販売台数も2015年から2020年まで6年連続で右肩上がりとなっているが、その日本市場でも3008が重要な柱であることは間違いないようだ。2017年3月に国内発売された現行3008は、2021年初頭のマイナーチェンジ直前までに日本で累計8309台を売り上げたという。この間の日本におけるプジョー全体の販売台数は合計3.9万台強だから、ここ数年に日本で売れたプジョー全体の2割強が3008ということになるわけだ。
日本の輸入車市場では、ドイツ車以外のポピュラーブランド(事実上はほぼフランス車とイタリア車)はBセグメント以下のコンパクトモデルしか売れない(=台数のわりに利益率が低い)のが積年の課題である。その意味でいうと、3008はCセグメントであるだけでなく、より高付加価値のSUVにして、価格も400万円台が中心となっている。そんな3008を新たな売れ筋商品に昇格させられたプジョーの日本戦略は、ビジネスとしては典型的な成功例といっていい。...