経験のたまもの
キャデラック渾身(こんしん)のニューモデル「XT4」に試乗。はやりのSUVだからといって、ルックスだけの一台と思うなかれ。その仕立てや走りの質は、歴史あるアメリカンブランドのプライドを感じさせるものだった。
イケてる人にウケている
「売れ筋のカテゴリーに進出したな」
キャデラックXT4がブランドとして初めてのコンパクトSUVだと聞いて、多くの人がそう感じたはずだ。キャデラックXT4の全長は4605mmで、レクサスなら「NX」、メルセデス・ベンツなら「GLB」にあたるサイズ。世界的にみても活況を呈するセグメントだ。キャデラックは、「シボレー・マリブ」などに用いるエンジン横置きレイアウト用のプラットフォームを活用して、小さなSUVを仕立てた。
ここまでだと、なるほど、よくあるFFベースのSUVかと思う。けれども、実際にハンドルを握ると、“お手軽SUV”という先入観は覆された。
キャデラックXT4のラインナップは、ラグジュアリーな「プレミアム」、トップグレードの「プラチナム」、そしてスポーティーな「スポーツ」の3グレードで、今回試乗したのは「スポーツ」。パワートレインは3グレード共通で、いずれも2リッター直列4気筒ターボエンジン+9段ATとなる。
キャデラックのフラッグシップSUVである「エスカレード」の弟であることがはっきりとわかるXT4のフロントマスクは、好き嫌いが分かれるだろう。
と書いてはみたものの、いまやアメリカのみならず世界中のヒップホップ愛好家たちの憧れのクルマは、キャデラック・エスカレード。しばしばラッパーたちのミュージックビデオに登場するからだ。「好き嫌いが分かれるだろう」なんて書くのは昭和のクルマ好きだけで、これこそモード最先端なのかもしれない。
ただし、インテリアは昭和のクルマ好きも納得のもの。キャデラックは伝統的に本物の素材にこだわっていて、レザーやウッドを使う一方で、アルミ調や木目調は使わない。キャデラックXT4のインテリアもこのルールにのっとり、色艶と手触りのいいレザーなどでドライバーをもてなしてくれる。...